繊維ニュース 編集部ブログ

2019 07 Feb

海のエコラベル

 【東京本社】「MSC、ASC認証のサステイナブル(持続可能な)フードを用意しました」。YKKが1月に開いた新年記者懇親会。会場の料理は、聞き慣れない認証食材だった。

 MSC(海洋管理協議会)認証は「海のエコラベル」とも呼ばれ、本部は英国にある。持続可能で適切に管理され、環境に配慮した漁業を認証する制度である。海洋の自然環境や水産資源を守って獲らなければ、豊かな海の生態系が壊れる。これを避けるため、獲ってよい漁獲量、時期、魚の大きさなどを定め、他の生物がかかりにくい漁具も使う。

 MSCが天然物を対象とするのに対し、ASC(水産養殖管理協議会)認証は養殖物が対象。環境に負担をかけず、地域社会に配慮して操業する養殖業に対する国際的な認証制度。天然資源の枯渇が懸念される中で、水産養殖の需要は年々高まる。しかし、劣悪な労働環境、ずさんな現場運営、水質汚染などの問題を引き起こしていることも背景にある。

 今回の食材を提供した「フランセーズ ラ・ポルテ」(神奈川県川崎市)は「まだ日本での認知度は低いが、これから食の世界で広がっていく」とみる。(康)