繊維ニュース 編集部ブログ

2019 07 Nov

デュッセルドルフの光と影

 【東京本社】「A+A2019 国際労働安全機材・技術展」がドイツ・デュッセルドルフで5日開幕した。労働安全と労働衛生をテーマにした世界最大規模の見本市で、最新のユニフォームや安全保護具が文字通り世界中から出展される。

 当社ダイセンは今回4回目の視察ツアーを企画し、約60人の参加者と会場入りした。現地リポートは本紙「繊維ニュース」や「ユニフォームプラス」などでお届けする。

 主催者のメッセ・デュッセルドルフによると、今回展の見どころは「デジタル技術」「サステイナブル(持続可能な)」と言う。出生率低下による労働人口の将来的な減少、メンタルヘルスなど、仕事を巡る課題は欧州も同じ。出展される製品やサービスは、いずれも省人化と効率化、健康で快適な環境づくりをうたう。

 しかし会場から一歩出ると、この国の別な面も垣間見える。中央駅の周りでは、座り込んで喜捨を求める人、あちこちのごみ箱をかきまわす人、紙バッグを下げて明け方の街路をさまよう老人。

職も、定まった住まいもないのだろうか。東京でも見掛ける光景だが、今回は特にそんな人が目に付く。

 労働環境以前に、仕事のない、または何かの事情で仕事に就けない人たち。さまざまな民族が暮らし、移民の問題やヘイト犯罪も深刻化する欧州。日本にとっても対岸の火事ではない。(周)