繊維ニュース 編集部ブログ
2017
21
Dec
今治・波止浜の「蟹御殿」
今治タオル産地(愛媛県今治市)のタオルメーカー、藤高に取材に訪れた際に、「波止浜の蟹御殿」の話を聞いた。
正式には「旧八木邸」といい、現在は同社の関連企業の所有。元々は同地出身の実業家、八木亀三郎氏がカニ漁などで得た資産を用い、大正期に、庭園・内装ともに最高水準の趣向を凝らし建てた邸宅とのことだ。
その話を聞きながら、同地の歴史遺産をまとめた郷土誌、「どんどび」(呑吐樋文芸会発行)の22号も拝見した。同誌には藤高豊文社長が八木氏の生前の事業に関する資料を、ほぼ丸ごと入手した経緯が記されていた。
その経緯も大変興味深いのだが、詳細は同誌を見ていただくとして、入手した資料などのほか、同社が長年にわたり手を入れていた邸宅が来春をめどに一般公開される予定だ。
既に現地では地元新聞で特集が組まれるなど、注目されているという。話を聞いて筆者も取材の合間に現地に赴いた。当然ながら塀の外から内部をうかがうだけで終わったが、その威容を感じることができた。機会を見て再訪したい。(酒)