繊維ニュース 編集部ブログ

2020 16 Apr

エッセンシャル・ワーカー

【東京本社】14日のNHK「ニュースウォッチ9」で「エッセンシャル・ワーカー」という言葉を知った。医師や看護師などの医療従事者や保健所、厚生労働省や自治体で病床の確保に努める担当者など、感染拡大と戦う人々。さらに宅配便やデリバリー・サービス、公共交通機関の従業員、公共施設や道路の清掃担当者など、社会インフラを機能させる人たち。まさしくエッセンシャル(不可欠な)業種である。番組を見ながら改めて感謝の念が強まった。

 だが待てよ。医療関係以外の業種のリストは、どこかで見た覚えがある。そうだ、「AI(人工知能)の発達でなくなる職業」だ。配達員、電車やバスの運転士、スーパーのレジ係など。有識者やシンクタンク、メディアが「〇年後になくなる」と盛んに言い立てた仕事ばかりではないか。

 世界中の経済が停滞しいているが、コロナ禍が収束すれば、ヒトをAIに代替する流れは再開するだろう。エッセンシャル・ワーカーたちは、いずれ自分たちの仕事を取り上げる社会のために、感染リスクにさらされながら懸命に働いている。皮相過ぎる考えだろうか。(周)