繊維ニュース 編集部ブログ
2020
08
Apr
無力感
【東京本社】ファッションイベント「楽天ファッション・ウィーク東京」が中止になり、無観客でショーを行うブランドがあった。数カ月前から綿密に準備を進め、資金や労力もかけてきた。予期できたとはいえ、新型コロナウイルスの感染拡大が「ここまで甚大になるとは思わなかった」と言うデザイナーもいた。
悔しさを吐露する某デザイナーは、記者やバイヤーを呼びたくても呼べない無力感のような感覚に陥ったという。無理もない。ファッションデザイナーの晴れ舞台とも言える場が“無観客”になることは、読者のいない新聞を発行するようなものである。動画やルック撮影でショーの記録を残しているものの、ファッションショー特有のライブ感を味わうこともできなかった。写真のミントデザインズの八木奈央デザイナーは「とてもじゃないけど、次シーズンのことは考えられない」と話す。コロナショックも大きいが、感染症の終息と消費が上向くことを願っている。(市)