繊維ニュース 編集部ブログ

2019 10 Jun

意外な先客

 【東京本社】先日、腕時計とシルバーアクセサリー、スニーカーの下見に都内の専門店に向かった。

 腕統計の専門店に行くと「次回の入荷は未定です。お客さまの前に数百人が待っている状態でして……」とのこと。気を取り直してシルバーアクセサリーの店舗(某海外ブランド)に行くと「ご希望の商品は3カ月待ちでして……」と言われてしまった。二度あることは三度あると言うが、スニーカー専門店に行くと「そのスニーカーは店頭に出ません……。抽選販売になります。抽選券は土曜日に並んで取得してくださいませ」と笑顔で言われてしまった。

 ある程度は覚悟していたが、ここまで実物が見られないとなると、さすがにあきれるしかなかった。ちなみにスニーカーの抽選券は徹夜で並ばないと手に入らないらしい。

 そこで、どういう人物がこの商品を購入しているのか聞いてみた。それは意外にも日本人の20~40代男性という答えが返ってきた。

 腕時計の販売員は「ほとんど投機目的ですよ。値崩れしない品番から売れていきます。転売目的の中国人もいますが、消費増税前に(日本人が)購入してますよ」と説明する。シルバーアクセサリーとスニーカーでも同じような回答があり、プレミアムが付いてからゆっくり売るらしい。

 早速、フリマアプリの「メルカリ」をのぞいてみると、シルバーアクセサリーは定価の1・5倍、目当てのスニーカーは旧式でも5倍以上になっていた(どれも中古品)。腕時計は出品すらない状態で、某オークションサイトでは定価の3倍になっている。ゼロ金利時代の影響というか、こうしたファッションアイテムも投機対象になることを(納得していないが)見せつけられた。

 腕時計の販売員に「これって異常な状態ですよね」と誘導尋問をしたら、「そ、そうですね。申し訳ありません」と謝罪されてしまった。あなたは悪くありませんから。(市)