繊維ニュース 編集部ブログ

2020 22 Jan

モノを大切にする意識から作品生むデザイナー

【東京本社】「若い世代ほど、環境配慮の意識が高い」という言葉をよく耳にするが、そのことを実感する出来事があった。

 1月中旬、副資材を企画・製造・販売する日本コパック(東京都台東区)のギャラリー「CPK GALLERY」で、ある若手デザイナーの個展が開かれた。デザイナーの八木華さんはまだ20歳でありながら、昨年の欧州最大のファッションコンテスト「ITS」で、ファッション部門の受賞者候補になった。

 八木さんが個展で披露した作品は古布をつなぎ合わせた衣服で、青森県で古くから伝わる「ボロ」から着想を得たと言う。

 聞けば、八木さんの実家は主に屋根の補修を手掛ける板金業を営んでおり、「直して使う」精神が家庭にも行きわたっていたそうだ。自身が服を探すにしても、「新品よりも古着を選ぶ。もったいないことはしたくないというより、最初からそういう意識がない」ときっぱり。

 特に倹約という意識も持たず、当たり前のようにモノを大切する世代が、ファッションの世界に飛び込んでくる時代になった。この世代にとって「サステ」と連呼する行為は、「今さら」と捉えるものなのかもしれない。(強)