繊維ニュース 編集部ブログ

2024 13 Aug

今治綿業の父

 【中国・四国支社】愛媛県今治市は、温暖で降雨量が少ない瀬戸内海気候のため綿の栽培に適する。江戸時代に綿の栽培が始まり、綿業が大いに発展した。今治城の城内には、今治綿業の父である矢野七三郎の銅像が立っている。矢野は明治時代に他産地の廉価な木綿製品に圧され低調となった伊予木綿に代わる綿製品の開発を託され、和歌山に出向いて紀州綿ネルの技術を学んだ。その後、丈夫で温かい三綾織り片毛ネルという新たな商品を開発した。自ら売り歩き京阪神から九州まで販路を拡大した。これにより今治の綿業が再興と発展を遂げ、現在のタオル産地となる礎が築かれた。(徹)