繊維ニュース 編集部ブログ

2020 23 Oct

野球

【東京本社】仕事で神保町の駅周辺を歩いていると、ボールを握った大きな手のブロンズ像に出くわした。「日本野球発祥の地」記念碑であった。

碑文を読むと、もともとここには東京大学および前身の開成学校があり、明治5年(1873年)の学制施行時、同校のアメリカ人教師のホーレス・ウィルソン氏が生徒達に野球を教えたのが、日本の野球の始まりとのこと。高校まで真剣に野球に打ち込んだ筆者だが、日本の野球の始まりなど初めて知った。

今や野球の強豪国となり、技術的にも飛躍的に進歩したが、一方で用具関連も大きく進化した。例えばアンダーシャツ。ポリエステルとポリウレタンを合わせたコンプレッションタイプで、フォルムも実にスタイリッシュ。吸湿速乾や抗菌防臭などの機能も付加していたりする。筆者が高校生の頃に着ていたUネックに七分袖のダラっとしたようなものとは機能もフォルムも随分と違う。

スパイクシューズもかつては本革が主流だったが、軽量、フィット感、クッション性等を追求し、人工皮革などを使用するものが増えている。アッパーにニット素材を使ったものも。こう見ると繊維業界の素材開発が大きく貢献していることが分かる。繊維技術は野球に限らず、スポーツ競技の進化を支える重要なファクターの一つであるのは間違いない。(東)