船橋 芳信
第26回、MILANO UNICA 生地展示会
2019年春夏用生地展、ミラノウニカが開催された。 2月6日から8日までの3日間、RHO Fieramilanoまで通った。 地下鉄一番線の最終駅に当たるRHO Fieramilano駅は、通常地下鉄の切符は、1.5ユーロだが、 RHO Fieramilano駅は2.5ユーロの切符が必要である。 もし、1.5ユーロの切符で、乗り越し、RHO Fieramilano駅で降りるとすると改札口に駅員の改札検札に見舞われる。 1.5ユーロ切符を提示すると、不正乗車と見なされ、その場で35ユーロの罰金を払うことになる。 何とも不可思議なシステムの悪さを利用しての不正検札としか言いようが無いのだが、 10人を超す検札係員を、動員しての摘発行為である。客に押し付けるシステム不良、ひどいと思えて仕方が無い。 相手の身になって考える習慣が無い此処ヨーロッパ、しかし官公に依る詐欺に近い摘発は、 不条理さえ感じられる。間違った個人が、其の代償を負わねばならない。 そうした個人主義、個の確立は、倫理的には大変興味深い物である。 さて、ミラノウニカの生地展、何か目新しい物が無いかとアポイントからアポイントへとブースを渡り歩く。 モーダのカジュアル化は、此処イデアビエラにまでも浸透し、布帛、生地のジャージー化された物ストレッチウール、 ポリウレタンの張った生地、またジャージー会社のジャケット用ジャージーの開発、 メンズジャケットにはニット、ジャージーの素材の豊富さが、目を見張った。 高級素材では初めてみる梳毛カシミアストレッチのダブルフェイスは、圧巻だった。 日本素材のTha Japan Observatoryは、ヨーロッパの顧客を少しづつ、定着させているように思える。 日本製品の持つイメージは高品質、好感度、製品への信頼感が、アピールされ始めている。 特にカジュアル部門でのナイロン素材、ジャージー素材は、若いデザイナー達の垂涎の的となっているようだ。 MADE IN JAPANが、少しづつ浸透し始め、日本国内に生産力への信頼感が、 生まれ育って行く事を強く願って止まない。 そんな感想を持った第26回めのMILANO UNOCA展であった。