船橋 芳信
ファション市場は何処へ!
ファッションの市場は、消えてしまったのだろうか?我々小さなアトリエは、
少人数で、こつこつと物作りに励んでいるが、そんな製品を受け入れてくれるブティック
は年毎に少なくなっていっている。原因は、市場の変化に対応出来ずに、ファーストファッションが隆盛し、
高級品への需要が減ってしまった事にある。加えて今の若者が、高級素材への理解が全く無く、
服装そのものがカジュアル化し服装文化が失われている現状も、ブティックの需要が減って行く傾向に拍車をかけている。
今後の課題は、この現状にどう対処して行くのだろうかと言う事だろう。
インターネットでの販売?
個人客への直接販売?
チェーン店への卸販売?
5人程の小さなアトリエに出来る事は何だろうか?
これまでの経験とノウハウを活かして、自分たちに無い生産力のある工場とコンタクトを取った。
生地を生産する生地メーカー二コの企画を持ちかけている。
この試案に欠けている部署として、製品販売を担当する
商社、チェーン店、またはインターネットに依る販売システム、を組み込む必要がある。
この格部署を担当するそれぞれ独立する会社を合流させるようなシステムで
新しいコレクションが出来ないかと模索している。
このファッション業界の機能しない欠陥システムに陥った原因の一つには、流通システムに依るグローバル化、
金融不安に依る経済危機、自由主義経済の崩壊、これらが起因する事で起こった世情不安が、それに輪をかけて
不況感が増し倫理観の欠如に依る信用不安、 不安不安が先行する時代へと突入した。
このファッション産業にあって、必要な物は何か、と言うと生産力、どういう生産力かと言うと
ハンドメーキングに依る生産、そして素材メーカー、販売を一手に引き受ける代理店、
それらを手にして、服作りに携わってみれば、どんなに楽しいだろうかと夢見た。
だが、すぐにデザインに苦しみ、何を作ろうかと悩む自分が其処にいた。
何が一番難しいのか、それは新しい服を生み出す想像力なのだと痛感する。
来週から、素材展、ミラノウニカが始まる。