船橋 芳信

2020 30 Jan

知らざるテナー達、カルーソから現在迄

 

知らざるテノール達、膨大な時間の重なりの果てに、其の重みに潰されて行った過去の歌手たちの存在、

彼らとの会話を始める切っ掛けになったのは、手巻き蓄音機のお陰である。耳を通して感覚を揺さぶり、気持に高揚感を与えてくれたり、

喜怒哀楽の織りなす感情を豊かにさせてくれる音楽の効用は、計り知れない。ここに歴史上の有名なテノール歌手を列記してみたい。

テナー(テノール)と言えば、Enrico Caruso、テナーの帝王と称されたカルーソは、1902年ミラノでビクターのレコード録音技師、

ガイスベルクと最初のレコーディングをし、カルーソの名前を世の中に広める切っ掛けになった。カルーソはアメリカを席巻し、

彼の声、音楽が劇場を抜け出し、家庭の中で愉しめる切っ掛けとなったのがレコードの出現である。

こうして産業革命の落とし子とでも云える手巻き蓄音機が、音楽を大衆化へと導いて行く橋渡しになって行った。

フレッド・ガイスベルク(1873-1951)は、優秀な音楽家でもあった。故に彼は、優秀な音楽家を探し求め、レコーディングする事に其の労力を集中させた。

レコーディングは一世を風靡し、やがて機械式吹き込みから電気録音へと移行して行き、ガイスバーグは33回転LPレコード、

Long Playingレコードへの意向を提唱するが、LPレコード、33回転が、彼の死後展開されて行く。

 こうして劇場のみでの音楽の楽しみは、一般大衆へ向けて大宣伝する時代へと突入して行く。

其のシーンには、カルーソの第2、第3が必要とされ多くの歌手達が出現して行く。カルーソの後に続くテナーを列記する。

エンリコ・カルーソ(Enrico Caruso 1873-1921) 

アウレリアーノ・ペルティレ(Aureliano Pertile  1885-1952

ジョバンニ・マルティネッリ(Giovanni Martinelli 1885-1969)

ベニアミーノ・ジッリ(Beniamino Gilli                1890-1957)

ティート・スキーパ(Tito Schipa     1888-1965)

ラウリ・ジャコモ・ヴォルピ(Giacomo Lauri Volpi 1892-1979)

フェルッチョ・タリアビーニ(Ferruccio Tagliavini  1913-1995)

マリオ・デル・モナコ  (Mario del Monaco1915-1982

ジュゼッペ・ディ・ステファノ(Giuseppe Di Stefano  1921-2008)

ルチアーノ・パヴァロッティ (Luciano Pavarotti  1935-2007)

アルフレッド・クラウス(Alfredo Kraus     1927-1999)

ジュセッペ・ジャッコミーニ(Giuseppe Giaccomini      1940-)

プラチード・ドミンゴ(Placido Domingo  1941-)

二コラ・マルテヌッチィ(Nicola Martenucci   1941-)

ホセ・カレーラス(José Carreras1946-)