船橋 芳信
2018
30
Mar
パッサージュ論
パッサージュ論を読み始めている。ワルター・ベンジャミン著、1800年代に入ってからのパリの街並みが、どのようにして作られて行ったのかを、散策し、思考し、会話し、街について語られた事を書き留め、その時代の人々の思考、嗜好、生活形態、商品の流れ、商店の生まれ行く過程の果て、百貨店が生まれ、商店が、少しづつ消滅しつつ、道が生まれ、繁栄し廃れて行く。その街の脇を走馬灯のごとく、走り、歩んでは消えて行く、遊歩、散策者の群れのながれは、形造られて行くパリの街並みを生み出してゆく。今現在に起こっている経済の流れ、好況、不況とも言う、経済の天候に、左右されて街の様相も変化して行く。街が、ファッションの景況に浮かれ始めると、散策者は商品の化身となって、街に吸い込まれて行く。パッサージュ論は、街がまるで人格を帯びた人間の思考の幻影のように、輝いては、廃れ、陽気なお祭りに浮かれては政治の最悪の結果に崩壊して行く。1800年代、資本主義の夢が、多くの哲学者、アーティストに与えた影響は、今尚その残影を書き留め、まさに今生き返らんとしている。