船橋 芳信

2019 26 Feb

2)Corso Venezia 16 M,ilano

2)Corso Venezia 16 Milano
モノローグ 2)
 
1980代、イタリアは、戦後最高の活況を呈していた。特にファッション業界は、フランスファッションの
工場としての存在から、少しづつ自社ブランドのコレクションを始めた頃だ。
フィレンツェで、開催されていたPITTI DONNAのコレクションのショウを、WALTER ALBINIが、
ミラノで開催し始めた頃から、世界中のファッション関係の人間達が、ミラノへ集まり始めた。 
職種は、ファッションデザイナー、ファッションモデル、カメラマン、ヘアーデザイナー、メイクアップアーティスト、
ファッションパターンナー、カラーコーディネイター、テキスタイルデザイナー、建築家、家具デザイナー、
有りとあらゆる職種の人間達が、ニューヨーク、ロスアンゼルス、ロンドン、パリ、アムステルダム、ベルリン、
マニラ、マドリッド、バルセローナ、ソウル、東京、、、、
 其れ程、イタリアファッションは、一気に花を咲かせ、雨後の筍の如く、デザイナーが生まれてきた。
この流れの中に、テーラーメイドをベイスに、ブランド化に成功した老舗のメーカー、工場機能から、
デザイナーブランドへの転身に成功したメーカー、フリーランスで、多くのコレクションを抱え、
活躍するデザインオフィス、ファッション雑誌は目覚ましい売上を伸ばし、
まさにファッションの街、ミラノが誕生した時代、1980年だった。 
イタリアのファッション産業で、欠けることが出来ない重要な要素、
基幹は、生地産業である。特に高級ウール素材を生産するビエラ地区には、
1800年代からの脈々と続く生地屋が多く存在する。
 イタリアファッションはこの生地基幹産業を背景に、多くのデザイナーを輩出した。
但し、この80年代に於いてのみである。下記に記したデザイナー群は、80年代に
頭角を顕わし、あるものは既に消え去ってしまっている。
 
WALTER ALBINI 
 GIORGIO ARMANI 
BASILE
LAURA BIAGIOTTI 
ROBERTA DI CAMERINO
ROBERTO CAPUCCI
NINO CERUTTI 
GIORGIO CORREGGIARI
ENRICO COVERI
FENDI
FERRAGAMO
GIANFRANCO FERRE
ELIO FIORUCCI
KRIZIA
PINO LANCETTI
CLAUDIO LA VIOLA
ENRICA MASSEI
MISSONI 
GUIDO PASQUALI
EMILIO PUCCI
MILA SCHON
KEN SCOTT
VITTORIO SOLBIATI
LUCIANO SOPRANI
VALENTINO
GIANNI VERSACE
そして、我が友、ENZINO MITOLO、知名度は出なかったが、
ニットデザイナーとして、この80年代を華々しく駆け抜けた一人だった。
 90年代以降頭角を出したデザイナーとしては、DOLCE &GABANA,
ANTONIO MARAS,名前を挙げるのに、それほどの数のデザイナーが排出されていない。
ここに何らかの、イタリアファッションの負の動機が隠されているのかもしれない。
 上記に掲げたデザイナーの中で、未だに健在なのが、GIORGIO ARMANI, FENDI,FERRAGAMO 
MISSONI,PUCCI, VALENTINO,である。ファーストファッションの影響下、多くの企業が、
敗退の陣に追い込まれている。