船橋 芳信
藤原行成の平安朝かな名蹟選集
藤原行成の平安朝かな名蹟選集
藤原行成の平安朝かな名蹟選集を、神田神保町にある古本屋で購入した。 神田神保町を訪れたのは、何十年ぶりのことである。 ロッシーニの料理本を探しているが、中々見つからない。 美術書、哲学書、料理本、ただ料理本と言っても、単にレシピの説明、 ハウツー物には興味がない。作家、絵描き、音楽家らが書き残した料理本に興味がある。 私の蔵書の中に、ロートレックの料理本、エスコフィエの料理本、など蔵書の中に佇んでいる。 軒並ぶ古本屋さんを一軒が終わると、隣の古本屋へと次々に移って行く。 絵画評論のなかに、カラバッジョの本が二冊並んでいるのを見つけた。 一冊はカラバッジョの理性とヴィジョン、もう一冊は、カラバッジョ伝、 カラバッジョの伝記風な小説である。二冊共単行本の本、どちらかに迷った挙句、 理性とヴィジョンを手にしてしまった。小説は、知らず知らずのうちに、 小説の中に表現されているカラバッジョと、自分の持つカラバッジョのイメージが、影響を受けるかなと 不安を感じたから外してしまったが、今となっては、あの本も欲しかったと少し反省している。 時代背景、カラバッジョの周りを取り巻く人間関係、時代性を知れる良いチャンスだったのではなかったか? 偶然にも、藤原行成の平安朝かな名蹟選集を見つけた。 かなの筆跡には優雅さが滲み出る。 かなのお稽古のお手本にと、これも購入してしまった。吉川英治の小説、高山右近も買ってしまった。 ロッシーニの料理本は、見つけられなかったが、カラバッジョ、高山右近、平安朝かな名蹟選集、 神田神保町は、入り込むと抜けれなくなるだろうなと、痛感した一日だった。