船橋 芳信

2019 30 Mar

第16回アトリエコンサート フルートの夕べ

第16回アトリエコンサート 【フルートの夕べ】

3月23日、土曜日の夜開催した。
フルート奏者と言えば、Maestro Gazzeroni 、
丁度ローマに着いた1980年夏、弟、幸彦が働くローマの
注文服の仕立て屋、Mestro Peregrinoの紳士服の発表会が
ベネト通りの、ホテル、エクセルシオールであった。
そのオープニングを飾るのに、フルート奏者ガッゼローニ氏の
フルート演奏を聴いた。音楽会ならぬファッションショウでの
演奏会、会場は少しざわめいていて、マエストロの苛立ちは
充分に理解出来た。しかしマエストロガッゼローニのフルートの音色は、素晴らしく会場に鳴り響いていた。
 その頃、弟の幸彦は、ペレグリーノの下で、ローマの仕立てを
学んでいた。其のペレグリーノの顧客にMaestro Gazzeroni がいて、弟は彼の服を縫っていた。その頃のガッゼローニ氏の
サイン入り写真を、アトリエコンサートに、飾っていた。
  今夜のコンサートのフルート奏者、ジャンピオ氏はその写真を見て、
『何故私のマエストロの写真がミラノの此処にあるんだ?
私は、マエストロ・ガッゼローニの最後の弟子なんだ。』
 この日、スカラ座の首席フルート奏者だった、ロマーノ・プッチマエストロを、招待していた。偶然ながら、マエストロ・プッチ氏も、ガッゼローニの弟子だったそうで、プッチ氏は1965年,ガッゼローニ氏からディプロマを受けたそうだ。
 この日の若き女性フルート奏者の、坂本伽耶さんは、昨秋、
ガッゼローニ・フルートコンクールを受けていたという。
  フルート奏者の軌跡を、服を通じて繋がるという、
我がアトリエコンサートの出会いが、ガッゼローニ氏を巡る
フルートの歴史となった1日だった。
 フルートの音色は、我がアトリエの空間にメロディーの色彩を
ちりばめて、ピアノとフルートの競演は、
食への饗宴へと移っていった。