船橋 芳信

2019 13 Sep

SINGER 15K30

SINGER 15K30 1945年製

足踏みミシン、アトリエのミシンに空きが無くて、片隅で眠っていた足踏みミシンを
引っ張り出して、縫ってみた。
 カタカタカタカタと、おぼつかなくても、縫い目はしっかりとしていて、これがとても良い。
ジャケットを縫うには、ミシンが軽すぎるが,縫い目は良い。
旧いミシンは、鉄の重み、どっしりとした黒い重みのある輝き、形と言い
気に入って、ついつい、縫い上げてしまった。
 唯、遅い,遅い縫うミシンの時間は、その間に手の温もり、人のもの作る意識と出来上がって来る服との
コミュニケーションが生まれてくる。
 仕事を忘れて、愛おしさについつい、端切れ布を使って、磨いてしまう。
磨いていると、その形の柔らかな流れ、鉄の冷たい温もりは、人が愛情を込めて作った機械、
ミシンなんだと、つくづくと惚れてしまう。