齊山陽子

2018 01 Nov

LAの人事担当者直伝”ワークライフバランス”の極意とは?


“ライフスタイルバランス”や”ワークライフバランス”という言葉を近年良くみる。日本のメディアではフリーランスの斡旋プラットホームへの誘導や精神論が多く感じる。大多数をしめる一般層や人事担当者が毎日の過程で具体的に一体何をどうすべきなのかの肝心な

ノウハウは書かれていない。私以外にもモヤモヤしている人が実は多いと仮定しその答えを求めてワークバランス先進都市Los Angeles の現地からレポートする。


「早く終わらせたら逆に仕事は増える。ここLAはワークライフバランスのシステム化が進んでると言われていますが最初から上手くいってた訳じゃないです。」映画プロダクションで人事担当をしているアメリカ人のルナは言う。


「オーガナイズ能力があり、才能溢れる有能なスタッフ。とにかく質が高くミスを繰り返しさず仕事も早い。でも結論からいうとライバル企業に取られる。そんな状況は彼が初めてではなく会社にも詰められ人事として面目ありません。」


ワークバランスはインディペンデントの方がリズムが掴みやすいのはアメリカも同じで来年にはフリーランス人口が50%、特にLos Angeles (LA)はフリーランサーが60%を超える予想だ。(詳しくは他記事参考に) 彼女の会社も既にフリーランサーが6割以上が占めるが彼女は残りの4割の社員への対応がキーだと教えてくれた。


「有能な社員は自分の仕事を効率的に行った後、別の効率や精度の低いスタッフのカバーに回る事が案外多い。それじゃいつまでたっても自分のライフスタイルバランスは取れないし、無償でやっている仕事のやり甲斐は見えない。有能な人材は迷い、流出し、会社の成長率は弓なりに落ちていく。」


「ワークライフバランスを求める事で、二つの改革を行いました。まずは社員もスペシャリストとして何が具体的な貢献出来るかの項目化とルーティン化。精度の低いスタッフのカバーは項目出しをしフリーランサーに発注する。カバリングトータル投資を見える化。またフリーランサー以上に優秀な社員こそ業務の質を見て評価すべき。そこで社員のアワリー化が必要です。アワリーとは事前に時給を協議し、業務に対する時間を割り出し計算する時給計算給与支払制度。スタッフ(正社員)の場合8時間労働x 週5勤務+overwork (残業)。忙しさにムラがある業種ほど活用されやすくデリバリー(納品)前は残業があるがそのほかは時間を絞って集中してやってくれた方が会社も効率が良い。質に加え時間効率、対価バランスが見える化するシステムです。」


彼女の昔のメモを見せてもらった。


•何が出来て出来ないかその対価を理解する

•その業務は今求められている業務かの真実を知る

•忙しいことに酔わない

•質の高い仕事を出来るメンバーの質を下げない

•時間内に懸命に働く人間を評価する

•残業を癖づけない

•オーガナイズ能力を高める

•自宅やカフェなどのリモート業務バランス

•インプットとアウトプットバランス

•酒に頼らず面と向かって議論する場を作る


アメリカでいうと“ライフスタイルバランス”や”ワークライフバランス”は出来なければ淘汰される、それ位切羽詰まったもの。全ては豊かな暮らしの為に私達は循環している。いつか人事の皆さまを集めて相談会をやってみたい。今日も誰かのお役に立てますように♡