小山 隆

2020 12 May

【コロナ以降のアパレルデザイン業は?】

当社は3/中以降「テレワ-ク」「外出自粛」「店舗営業自粛」の影響で、定点観測が出来ない状況が続いています。街に観測対象となる人が歩いていないためです。

 

今後ライフスタイルのテレ化(「tele = 離れた所」)は進化・定着してゆくでしょう。
人々の行動がコロナ禍によって強制転換させられ、あらゆる産業が影響を受け変革を余儀なくされていますが、アパレルデザインの世界も、以前の状態に戻ることは決してないと考えています。

 

今回は社会の潮流と人々の行動がどう変化し、その変化に対してデザイナーはどのように対応すべきなのか? 今考えているとを書いてみようと思います。

 

前置きとして、
この文章は「悲観的に現象をとらえ、楽観的に未来を描く」を意識的に行っていますから、気軽に読んでいただけましたら幸いです。ぜひ悲観的な心情にならないでくださいね。

 

 


ストーリー:
1【人口減少社会x新世界恐慌】
2【装う機会が奪われてゆく】
3【どう適応するのか】

 

 


◆スタートライン
 まずコロナ禍は社会構造・経済構造が根底から覆されるきっかけであることを理解する必要がありそうです。
これにしたがうと、私達は過去の延長上に未来を描くことが無意味となりました。
・DX(デジタルトランスフォーメーション)が加速すると、「予測」という行為は標準装備化し、かつAiが大半を請け負うようになるでしょう。
・人間の役割は未だ見ぬ未来を描ききり、そこに新しい価値を無から提案することだろうと思います。

 

◆1【人口減少社会x新世界恐慌】
GDPの伸びは今後も期待できないと言われていた最中にコロナ禍によってDXの加速が強制されました。
しかし現在のアパレル産業はDXに対応していない。

米国の4月の米失業率実態は20%近く近くある(2020年5月9日ロイター)と報じられています。1929年の世界恐慌時は25%前後であったそうなので、もはや新世界恐慌の始まりではないかと思えてきます。

 

現在の日本の状態を以下の変数の掛け合せで仮定しておきます。

X1:「人口減少社会」xX2:「重症患者化した企業」xX3:「対DX投資」xX4:「新世界恐慌」

 


◆2【装う機会が奪われてゆく】
皆さん、今春(とくに4月)、新しい春服を買いましたか?
運動着やテレワーク用途は別として、外出の機会が減ると、外出用にデザインされたトレンドたっぷりの服の購入が減るのは当然のことと思います。
外出の機会が減る=装う機会が奪われる」からです。


視点をずらして見ると、
ライフスタイルの変化に引っ張られて文化が変わるということは昔からありましたよね。
着物から洋服へ、ラジオからTVへ、TVからNetへ、など。。。

3密回避によってDXが加速すると、

「装う機会が奪われてゆく」速度も加速することでしょう。

 

この事態に抵抗することは無意味だと思います。
では、どうすればいい?

 

 

◆3【どう適応するのか】
まだ明確な答えはありませんが、今後DXの渦中に入れないメーカーやデザイナー(私含め)は職を追われてゆく事になるでしょう。
月並みですが適応するには「学ぶ」「実践する」ことに尽きる。

 

言い方を変えると、
変化の中で自分が「新しい」と感じた物事に対して「甘噛み」して確かめてゆく。
見えない未来を描くのは難しいのでその都度「甘噛み」して確かめる。
それを繰り返し行っている姿が「新しい日常」なんだろうと、今は思っています。

 


DX「甘噛み」しますか?

 

 

 


参考情報:
【韓国、正常化に向けた2年間の指針発表】4/27ロイター通信
(画像データ添付)