芹澤 絵美

2021 09 May

クラブメンバーシップ


ワイナリーのクラブメンバー登録なるものをしてみました。
ワインクラブとかロイヤリティクラブなどと呼称され、
ワインを年に数回定期的に購入することによってワイナリーをサポートしたり、
グレート・ヴィンテージの買い逃しを避けることができるのがメリットですが、
買いたいときに買うのではなく、毎年送られてくるというスタイルが合わず今まで登録したことがありませんでした。

毎週金曜日はワインナイトと称して今まで飲んだことの無いワインや、
お気に入りのワインを開けて旦那さんと2人で飲んでいるのですが、
ワイン好きな方ならご存じの通り、ワインはヴィンジテージで大きく味わいが変わってきます。

特にニュージーランド・ワインは、2018年と2019年では雲泥の差があります。
なので、定評のあるワインでも2018年は期待通りの味が出ていないことがあり、
どれだけ違うのか知る為に、いつもなら1本だけしか飲まないワインナイトですが、
同時にヴィンテージ違いを開けることが増えてきました。

そのヴァーティカルな飲み方の扉を開いたのはVALLIというワインです。

もともとあまりお酒が強くないせいか、
美味しい!と感じるワインの幅が私はとても狭いのですが、
VALLIは、初めて心から美味しい、もっともっと飲みたいと思ったワインでした。

VALLIは、4つの異なる場所に畑を持っており、畑ごとにラベルの色を変えてリリースしています。

赤ーギブストン・バレー
緑ーバノック・バーン
黒ーベンディゴ
青ーワイタキ

私が最初に飲んだのは青のワイタキで、その華やかでフレッシュなベリーの味わいにとても惹きつけられました。
そのワインが忘れられなかったのと、色違いで揃えるというスタイリスト的性分が顔を出し、あるとき全色買ってみました。

デイリーに飲むような値段のワインではないので、
しばらくセラーに放置されていましたが、
ある日VALLI赤ラベル2018年を飲んだ時にひどくがっかりしたことがきっかけで、
続けて2017年も開けることになり、ワインの色、香り、は当然のごとく、
ボトルの底の厚さまでまるで違うことをはっきりと知ることが出来ました。

それ以来、同じ畑のヴィンテージ違い、同じヴィンテージの畑違い、
などヴァーティカルな飲み方をするようになったのです。

違うワイナリー、違う畑、違うワインメーカーでは味が違ってくるのは当たり前ですが、
同じワイナリー、同じ畑、同じワインメーカーで味が異なってくるお酒は、
おそらくワインだけなのではないでしょうか?

他のアルコールでは逆に毎年違った味を出されたら困るものがほとんどだと思います。
でも、ワインはこの違いこそが楽しみの1つなのだなぁと感じました。

がっかりしたVALLI赤ラベル2018年も、実は壊れていたことが後に判明。
別ルートで仕入れたVALLI赤ラベル2018年は繊細で美味しかったです。
2018年であれならば、2019年、2020年、2021年は更に美味しいことでしょう。
このように、販売店や輸送会社の保管状態次第でワインは壊れてしまうので、一度飲んだだけでそのワインを評価してしまうことは早計に過ぎることも学びました。
とはいえ、一度不味い思いをしたワインを、特にそれが高額であればもう一度買う勇気は持てないものですが、定評のあるVALLIだったからこそ再度確かめる気を起こさせてくれ、更にいろいろ学べるきっかけともなりました。


それ以来、すっかりVALLIのファンなのですが、
ある日、VALLIのオーナー兼ワインメーカーであるグラント・テイラーの特別作、
「TAIMANA 2013」というワインを旦那さんのお友だちが持って我が家にやってきました。
 


このワインは1つの衝撃でした。
2度と忘れない味。まさにそれでした。
これほどまでに深みと華やかさ、そして熟成した味わいを持つピノ・ノワールは初めてでした。

ワインはちょうど目覚めており、まさに飲み頃。
このワインをもう一度飲みたい!とすぐに思いどこで買えるのか調べたところ、
KINROS というワイナリーのクラブメンバーのみ買える限定ワインだったのです。

KINROSもVALLIと同じくセントラル・オタゴのワイナリーで、
自社以外の4つのワイナリーを集めたセラー・ドアーとオンラインショップを展開していました。
(*VALLIは独自のセラードアーを持っていません)

KINROSでは、8種類の定期購買があり、
私はVALLIであれば、どのワインを送られてきても満足出来るので、
3ヶ月ごとに3本のVALLIワインを送ってくるコースを選びメンバーになりました。
 

VALLIのオリジナルサイトでもロイヤリティ・クラブを持っているのでそちらで登録しても良かったのですが、
「TAIMANA 2013」は、KINROSがグラント・テイラーとコラボして作った作品であり、
それはKINROSのクラブメンバー向けにしか販売されていないので、KINROSでメンバー登録することにしました。

そして「TAIMANA」は、2020年というグレート・ヴィンテージも作ったようなので、
これは絶対に飲みたいです。
こうやって、有名な作り手とコラボした作品を取り揃えてメンバーを飽きさせないのもビジネスとして上手いなぁと思いました。

人生初の、ワインのロイヤリティ・クラブ登録。
できる限り続けられればなぁと思います。