芹澤 絵美
危険な草の種

野山を駆け巡る愛犬に忍び寄る意外な危険。
愛犬ヒメが体の一部を舐めているときは、
たいていそこに傷があったり発疹があったりするサインです。
先日ヒメが舐めている部分に、草の種が刺さっているのを発見しました。
その時は皮の下で透けて見える場所にあったのですぐにピンセットで取り出しました。
数日後、ヒメの体を撫でていると、太ももにしこりを発見。
指でつまむと割と固いしこりです。
虫さされかな?と数日様子を見ていたら、
ある日ヒメがそこを歯で噛み5mmほどの穴を開けていました。
そこには、先日見つけたのと同じ草の種が入っていました!
その時もピンセットで取り薬を塗りましたが、
その後この草の種がもっと重大な事態に。。。
またいつものようにヒメの体を撫でていると、
今度は右脇の下にしこりがあり、そのしこりからさらに7cmほど細長く腫れが伸びているのを発見しました。
しこりの周囲の毛を剃ってみると、
しこりの中心に小さな穴がありすでにふさがりかけていました。
直近の経験上、草の種か寄生虫か何かが入り込んだのかもしれないと思い、
すぐに獣医さんに連れて行きました。
結果、やはり同じ種類の草の種が皮膚の下に侵入し、
そのまま皮膚の下を移動していたのです。
この草の種は片端が非常に鋭く、
逆端は矢羽根のようになっていて、逆流出来ない構造をしています。
1度皮膚を突き破ると、その形状の特性から簡単に奥深くまで入り込んでしまうのです。
ヒメは全身麻酔で皮膚を数センチ切る手術を受けました。
種は割と速い速度で移動を続けるので、早期発見が大事です。
よくある事例なのかと調べてみると、
お隣オーストラリアでも写真付きの報告がいくつもありました。
顔、体、シッポ、肉球と、全身どこでも刺さる可能性があります。
この種が拡散される時期は散歩方法をよく考える必要がありそうです。