芹澤 絵美

2018 02 Apr

時を超え、人を繋ぐワイン

 

昨夜は上司のヴィンヤード・マネージャー宅でワイン会でした。

アカデミー・デュ・ヴァンの楠田卓也氏がプライベートで参加されていて、

先生にとって初ワイヘキナイトとなり、

つぎつぎ出てきた興味深いワインのせいか、

最初は18:30のフェリーで帰るはずが延長し、

21:00まで滞在していかれました。

メソッド・トラディショナーレの泡から始まり、

リースリング、シャルドネ、ピノ・ノワール、シラー、ボルドースタイル、

ラングドックと、全10本のワインが空き、

最初から最後までワインの話で盛り上がれるかなり贅沢なワイン会となりました。

こういう時は、だいたいみなスペシャルなワインを持ってくるのですが、

今回のサプライズは、1991年のカベルネ・ソーヴィニヨン&メルローのワイン。

27年の時を超えて昨夜抜栓。

その前に20年前のシャルドネを開けたときにコルクが壊れたので、

この27年前のワインは、楠田先生が持参の道具で丁寧に開けられました。

この時驚いたのは、コルクもまだまだしっかりしていて、

色も匂いもとてもフレッシュだったこと。

煉瓦色の液体に、まろやかな舌触りを想像していたけれど、

タンニンと酸味がバランス良くしっかりと残り、

飲み頃でありながら、まだまだ寝かせられると感じたワインでした。

27年以上前に、このことが予測出来るのがプロ。

27年前と言えば、私は20歳でワインなど嗜めない若輩ものでした。

そんな私がワイン作りに携わるなど夢にも思わず。

未来が予想出来ない人生のようなワイン、

ワインは開けられた日にその人生を終える。

だからこそ時を超えられる長熟ワインは開けたときの感動もひとしお。

世界には100年近く眠っているワインがあるという。

人間の寿命を超えるワイン、そんなものが存在していると思うと、

やはりワインの世界は奥深く魅惑的なものに感じます。

 

本当に楽しい一夜でした。

 

<ワインを愛しワインの世界にどっぷりと身を置く男達>

<私も楠田氏と記念に一枚>

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