山中 健
東コレ所感2 気鋭と大企業が放った2つの期間外イベント
ファッションウィーク期間中に、所感をアップしようと思っておりましたが、コレクション取材と編集が優先となり、本日「所感2」となってしまいました。
今回のファッションウィークは期間外に魅力のショーが2つありました。1つは、伸び盛りの「アキコアオキ」。そしてもう一つは、驚きのショーを行った「オニツカタイガー」です。
まず、「アキコアオキ」。渋谷のセルリアンタワー東急ホテルの一室で、ファッションウィーク開始3日前の10月12日にショーを行いました。
ドア開けて部屋に入ると、5人のモデルがリビングルームに着席。暗い照明で、独特のムードを醸し出します。ベッドルームに続くシャワールームは、シャワーが出しっぱなし。英語で続く女性の声、人が歩く影を映し出した照明アートなどが相まってミステリアスなムードが広がります。青木明子デザイナーは、「ランウェイと展示会のギャップを感じ、その間となる表現でコレクションを発表したかった」と語っていました。
注目のデザイナーが、ファッションウィーク開始前に行った同イベント。業界に対するアンチテーゼのようにも感じました。
そして、「オニツカタイガー」は、ファッションウィークの終了の2日目である10月22日の夜に大きなイベントを開催。ファッションショー、インスタレーション、パーティーを早稲田で行いました。
ショーはなんと早大の大隈講堂。講堂の外観に、「OnitsukaTiger」のサインを投射。気持ちを高揚させます。シアター形式の座席の合間を縫ってモデルが登場。舞台に上がってポージングをしながらコレクションピースを見せます。ファーストルックで使用した大振りのチュールスカート、メタリックのジャージなどが印象的。スポーツブランドとしての立ち位置はそのままに、アンドレア・ポンピリオのモードが融合しています。
ショー後は、パーティー会場であるリーガロイヤルホテルに行くため、大隈庭園を通過。すると、ショーをモデルたちが直立してコレクションを見せていました。講堂内は、舞台と客席に距離があるため、服が見にくかったのも事実。それを補うかのような見せ方は参考になりました。片方からリーガロイヤルホテルの客室の灯り、もう片側からだと講堂の時計台が背景となり、とてもフォトジェニックなインスタレーションでした。
そしてパーティー会場には、無数のシルバーバルーン。ゲストたちは、それらを蹴り上げたり、投げたりして記念撮影をしていました。
この2つのイベント。ファッションウィーク中にやっていたら目玉になっていたものです。しかし、期間外に行ったからこそ、ゆっくりと見られたのも事実。アマゾンとJFWのダブルスタンダードによるスケジュールのキツさを感じた今シーズンだったので、この2つのイベントがより印象に残ることとなったのでしょう。
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