山中 健

2021 15 Apr

日本のファッションはまだアジアでいけるのか?

 

 

昨日「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」に出演させていただきました。テーマは日本ファッションの海外進出について。放送分では「ランドセル」を起点に構成されています。

詳しくはタイムフリーでお聞きいただけます。

この放送に向けて、世界各地在住の方々に話を伺いました。NY、ミラノ、ロンドン、シンガポール、マレーシア、香港、中国・・・・。日本人の方も現地の方も。

そこで感じたのは日本ファッションに対する受け止め方の違いです。NY、ミラノ、ロンドンなどの欧米については以前と変わらず「日本文化に造詣のある方」が日本の服飾文化に高い評価をしており、アニメやゲームなどのサブカル好きの若者たちは熱狂的に支持しています。リアルマーケットでのユニクロ、無印良品の浸透ぶりも変わらずですが、日本ファッションは一部の先端層とマニア止まりであることも痛感しました。

 

アジアにおいては中華圏とそれ以外で大きな差が出てきており、中華圏は今も日本ファッションやカルチャーに対して良い印象を持っており、そしてそれは以前より増しています。サブカルチャーから派生している原宿ファッション(アニメコラボ、制服、ゴスロリ、やみかわ・・・)の他、メンズデザイナーも好調です。特にパリやミラノ、ロンドンなどのファッションキャピタルでコレクションを発表しているメンズデザイナーは「世界が認めた東京ファッション」として支持が集まっているようです。

しかし、中華圏以外のアジアでは韓国におされており、ファッションだけでなくコスメの世界でも存在感を増しています。もはや日本というイメージだけでは難しく、個別のブランド力や単品訴求力を磨いくことが必要です。

海外コンテンツの輸出は、食品・サブカル・そしてファッションの順に進むと私は考えていますが、まだまだファッションでメジャーはユニクロぐらい。日本のリアルクローズがアジアや世界に浸透するのは難しい状況ではあります。そこで現地での先端層にいけるのは何か?それはやはりメンズファッションだと思います。

そこで、中国の新興富裕層に向けたメンズファッションの輸出というのが一番可能性を感じます。一部のメンズデザイナーは中国進出で既に潤っているという話もよく聞きます。ただ、ディオールが上海ファッションウィークに招かれてショーを行ったり、世界中が目指すマーケットでもあります。

日本のファッション業界が、レディスアパレルの上海進出に力を注いだのが15年前、インバウンドに力を入れたのが5年前、そして今ウィズコロナの時代。新たな海外進出のスタイルとコンテンツ作りが必要だと感じた次第です。

 

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