山中 健
パリメンズの日本人デザイナー 今シーズンは東京の名所で発表
いま欧州メンズコレクションが行われており、日本時間18日夜からパリメンズがスタートしました。
パリメンズは日本のデザイナーのショーが多く、日本のメンズデザイナーが世界に羽ばたくための不可欠なプラットフォームとなっています。
ただ、コロナ禍により現地でショーが行う事がほとんどできず、今シーズンこそはと思ってところ、オミクロン株による感染再拡大。日本のデザイナーはムービーを配信したり、東京でショーをして配信したりしています。
今シーズンは、パリコレの協会側が「フィジカルでショーをしないとパリメンズの公式スケジュールには入れない」という方針を打ち出したとされていましたが、この状況で軟化。その結果として、ほとんどの日本人デザイナーが日本からコレクションを発表しています。
東京や日本の名所でショーを行うデザイナーが多いのが今シーズンの特徴。本日未明にコレクションを発表した「キディル」は、音羽御殿として知られる鳩山会館でショーを行いました。
日本の政財界の舞台となったお屋敷で、アバンギャルドな「キディル」のショー。東京の伝統と革新を対比させるショーでした。発表したコレクションは、同ブランドが持ち味であるパンクをベースに、ヴィンテージ、ワーク、ジェンダーフリー、プリミティブ要素を融合。また「ルルムウ」とコラボし、フェミニンでファンシーな要素を入れ込みました。
トレンド要素や異なる世界観を入れ込みながらも一体化しているあたり、フュージョンテックニックの進化をしっかりと感じました。
「キディル」は、コロナ直前にパリメンズでランウェイショーを開始。勢いをつけ、その後もパリでコレクションを発表する予定でした。国内セールスは順調ですが、コロナがなければ世界で今とは違うストーリーを描けたでしょう。
コストやリスクの削減という点では、ホームタウンから世界的なプラットフォームを活用してデジタルで配信するのがスマートだとは思いますが、世界でのセールスを見据えたデザイナーたちからすると無念なのだと思います。
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