山中 健

2020 22 Feb

ロンドン2020冬レポート1 空き店舗とプライマーク

先月、パリメンズウィークの帰りにロンドンのショップリサーチをしてきました。リアル店舗が厳しいのはロンドンも一緒です。

ロンドンのメインストリート、オックスフォードストリートを歩いていてもそれを感じました。英国から撤退した「フォエバー21」の空き店舗の横にあったH&Mもオックスストリートから撤退。こんなに大きな空き店舗が並んでいるのを見ると悲しくなりました。日本の銀座からH&Mが撤退しましたし、高い家賃にやせ我慢して店を構える時代ではないとうことを痛感しました。

 

そんなロンドンで最も賑わっている店はどこか。それはやはり「プライマーク」でしょう。アイルランド発のチェーン店ですが、今はロンドンに本部にある巨大企業アソシエイテッド・ブリティッシュ・フーズ(ABF)の傘下にあります。世界12か国に373店舗を構えています(2019年アニュアルレポートより)。

「プライマーク」が来ると「H&M」や「フォエバー21」の業績に影響を与えると言われ、その好調ぶりが伝えられて久しいですよね。2019年の全世界の既存店は2%ダウン、英国でも1%ダウンですが、他の店舗の閑散ぶりと比較するとその賑わいが際立ちます。

同店の魅力は、安さと品揃えの総合化で、オックスフォードストリートの店は、総合ディスカウントストアのような雰囲気です。ファッション以外にもスポーツウェア、コスメ、トラベルケース、カフェなども取り扱い、アパレル単品は10ポンド未満、化粧品のコンシーラーなどは2ポンドで販売しています。

以前は低所得者や安物狙いの観光客が大多数という感じでしたが、今は中間層と思しき地元客も多く購入しています。

世界のファッションキャピタルでリアル店舗を構えるのは大変なこと、そしてボリューム価格は限りなく下位にシフトしていると感じた次第です。

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