山中 健

2019 28 Aug

五輪が招く都心商業開発とその後

6月から8月は、欧米、中国、関西と出張が多く、各都市のマーケット情報をアップデートできました。そこで、各地で感じたことを4回に分けてお伝えしてきます。まずは、五輪と都心商業開発の関連性についてです。

東京2020に向けて都心商業の開発が進ますが、それは五輪が決まったパリや候補地となったNYも一緒です。前回はお伝えしたNYのハドソンヤーズなどは象徴的な開発です。どの街も混乱とともに活気があり、今日より明日、明日よりその先がもっと良い未来になるようなムードが漂っています。

ただ、その後はどうなるのでしょうか?様々な新興国の五輪後不況が報じられ、五輪後への不安も広がります。五輪前には投資が集まり、五輪が終わった途端投資が打ち切られ、そしてインバウンドが落ち込み不況が起きるというのがその不安の素ではないでしょうか。

そこで、解決のヒントとなるのが2012年に五輪が開催されたロンドンでしょう。元々、NYと世界一の座を争うロンドンですが、五輪後も開発が進んでいます。五輪によって様変わりしたのがロンドンのイーストエリア。貧しく治安が悪かったエリアが、トレンド最先端の街になったことはもはや有名ですね。このエリアの開発は現在も進んでおり、今も投資が集まっている様子が見てとれます。

なぜロンドンは今も投資が集まっているのか。元々の都市パワーもあると思いますが、それまでの開催地での失敗事例を踏まえて、五輪をゴールとせず五輪後の開発計画をしっかりと立てて展開していったからでしょう。

その後も外国人観光客は増加。むしろ、混雑や滞在費の高騰を避けて五輪開催時が落ち込んだという驚きの事実も。五輪を挟んだ観光施策が実を結んだのでしょう。

東京2020もその後の大阪万博につなぐため、国全体としての施策がどのように展開していくか気になるところです。

今も開発進むイースト地区

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