山中 健
グローバルスタンダードと中華スタンダード
先日、中国に講演をして参りました。中国に行くのはなんと7年ぶり。そして講演の地、広州は9年ぶり。日本でも10年ひと昔といいますが、中国のスピードを鑑みるとふた昔ぐらいぶりという感覚でしょうか。以前は毎月のように行っていた中国。どのように変わったか興味津々でした。デジタルやグローバル化がさぞや進んでいるのだろうと。
確かにデジタルは進んでいます。デジタルサイネージはあちらこちらで見られます。(自分でお金を払う機会がなかったのですが)決済もアプリやQR決済も進んでいるようです。そして、都市部の人々は多くの買い物をECで済ますとのこと。年配のビジネスマンもそのように語っていました。
私がびっくりしたのは空港。トイレの「滑ります注意」の文字は、プロジェクターで照射。イミグレで日本語のパスポートを出すと、「日本語」のアナウンスが流れたり(多分AIによる多言語対応)…。まさに映画で見た世界です。
この辺りは次に行った時にもう少し掘り下げます。
そして、グローバル化については、進んでいるのかそれとも進んでいないか判断つきませんでした。グローバルではスタンダードになっているもので定着しているものとないものがあるように思います。
例えばショッピングバッグの紙袋切り替えは進行中ながら、使い捨てのプラスティックへの意識はまだまだ。「エシカルファッション」など時期尚早と言っていました。ショップの英語表示が増えたように思いますが、英語を話す人はまだまだ少ない(というより前より減っているような)。スマホの翻訳アプリで会話をすることが多かったように思います。
このことを帰りの飛行機で考えたのですが、中国は独自のスタンダードをつくりあげようとしているのではないかと。思えば、googleもtwitterもInstagramもFacebookもLineも使えなかったり、日本や韓国とは違い外来語も少ない中国ですから独自のスタンダードをつくりやすいのでしょう。そしてそれを中国国内だけでなく、アジア全体に広げていこうとしているのかもしれません。
そうすると日本や欧米では当たり前のことが中国では当たり前でないことが、増えていくように思います。香港のデモについての感想も、日本のマジョリティの感想と真逆なものでした。
グローバルスタンダードと中華スタンダード。10年前はグローバルスタンダードへ近づいていたように感じていましたが、今はその逆のようにも感じます。アジアでビジネスをしていく上ではその両方を知ることが大事だと再認識しました。
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