山中 健

2018 21 Apr

ハンティングワールドのショップがライフスタイル表現型にシフト

昨日、リニューアルオープンした二子玉川のハンティングワールドのショップ。私は前日に行われた内見会にお邪魔しました。

場所は、玉川髙島屋西館1階。西館でも一番奥にあり、交差点に面して佇む様は、路面店そのもの。 同店は新たなコンセプトで作られたショップで、今後はこのコンセプトで展開していくとのこと。伊藤忠が本体を傘下に入れ、ホワイトマウンテニアリングの相澤デザイナーを迎い入れた同ブランドの今を表現した店とも言えます。

店のイメージはガラッと変わりました。以前は、高級イメージでしたが、同店はライフスタイルを表現した店。生活者に一つ先のライフスタイルを提案する「ライフタイル提案型」と異なり、クリエーティブチームを率いる相澤氏と店舗デザインを手がけたワンダーウォールの片山氏が、同ブランドのヘリテージを見つめて、新解釈したライフタイルを表現しています。

「初めてのサファリツアーで訪れたバケーション・ヴィラには、家主が使い込んだハンティング・ワールドのバッグが無造作に置かれていた」という架空のストーリーを立てて店舗デザインを設計しています。

特徴は、住空間のような心地よい雰囲気。エントランスでは、ハンティングワールドを象徴するアウトドアやハンティングのツールを使った展示コーナー、店奥は石造りの壁、待合いスペースはダイニングやリビングのようなテーブルと椅子を使用しています。

内見会では、相澤氏とも話しました。「ガラッとイメージが変わりましたね。前は高級イメージでしたが、ライフスタイル表現型になったというか」と私が言うと、「そうです。価格を考えると高級品であることは変わらないのですが、今の時代それでいいのかと考えたんです。」と発想の起点を教えてくれました。

思えば、ハンティングワールドは他のブランドと同様、そのアイデンティティを変えて成長してきました。アウトドアショップから、1980年代は高級店に。

当時日本で同ブランドをオペレーションしていたジャーディンマセソン社(アヘン戦争で有名な商社)は、海外の無名ブランドを日本で高級品として売り出していました。あのMCMも当時ジャーディンマセソン社が手がけていました。

これまでのハンティングワールドの店舗イメージは、ジャーディマセソンが手がけた当時のままでした。乱暴に言えば、30年近く時が止まったかのように。そして、今回一気に今っぽい店に生まれ変わっています。

時代を味方にした相澤氏のデザイン、ピッティやミラノでのコレクション発表に続き、店舗イメージの刷新。ハンティングワールドがイメージを変えて、どのように変わっていくのか、引き続き見守っていきたいと思います。

 

 

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