山中 健
ファッションウィークのデジタル化とマーケット
ただいまパリコレも終盤を迎え、デジタルでの発表がデフォルトとなったヨーロッパのコレクションサーキットも終わります。そんな中、本日5日の朝にタイトルにあるテーマについて私へのインタビューが放送されました。
「J-WAVE KONICA MINOLTA GLOBAL SCALE」のHPより
収録に際し、以下のようなメモを用意して臨みました。メモをこちらでシェアしたいと思います。
―デジタルでのコレクション、進化した点は?
・フィジカルなショーは総合的な舞台芸術だったが、デジタルショーはデジタル総合コンテンツ
・インタビュー番組風やデザイナーからのダイレクトメッセージ
(ロエベ、ラフシモンズを迎えたミュウチャプラダなど)
・ドキュメンタリー映画風:マルニなど
・パペットショー番組:モスキーノ
業界でない方でも楽しめる様になっている、イタリアとか中国ではテレビでファッションショーをやっていたりしており、業界でない人もファッションショーを見たり、環境映像として使われているけれども、そんな感じになっていくと嬉しい
―やっぱり難しい点は?
・ファッションプロが確実に見てもらえるかがわからない(バイヤー、影響力のあるメディア)
・招待状が届いて会場に行ってまでの過程がコレクションの付加価値だったけどそれがなくなる(デジタルではティザー動画でそれを補おうとしている)
・力のある大きなブランドは様々な手法を持っているけれども、若いデザイナーにとってコレクションはファッションプロやスポンサーに訴求する絶好のタイミングだった。ファッションウィークの求心力がなくなると彼らが厳しくなる。
―新作発表の場として、これからのコレクションがもつ意味、役割、価値とは?
・コロナ禍前からファッションウィークへの以下のような疑問は業界関係者皆持っていた。
・ファッションウィークが生むトレンドが商売にならない
・世界各国から多くの人を呼び、30分足らずのショーのために資源を使用するのは環境保全に反するという意見
―ファッションウィークの意味は?
・様々な才能や文化を継承・発展させるもの
―ファッションウィークの役割は?
・若いデザイナーにとってはファッションプロへ訴求する場所
・ビッグブランドについては、様々な才能や文化を継承・発展させるもの
―ファッションウィークの価値は?
・ブランドにとって:ブランドへのロイヤルティアップビジネスマッチング
・業界関係者にとって:ビジネスのヒント
・一般消費者にとって:ブランドの世界観に触れる
―こうした変化が、今後のファッション界に与えそうな影響は?
・ファッションシステムの変革は徐々に進む
・これまでのファッションシステム(生地などの展示会でヒントを得たデザイナーがコレクションを発表してその中でコレクションからトレンドが生まれ、メディアや商業が知らずしらすのうちに大キャンペーンを行い、経済的流行になる)が変わる
―商品企画のあり方
・商品企画の参考にファッションショーのルックを使っていたことが多いがそれが減る
・商品企画にあり方からブランドを分類、クリエーター、デザイナー、コンテンポラリー、リアルクローズとなっており、コンテンポラリー、リアルクローズの比率が日本は高い
・リアルクローズはトレンドの影響は少ないが、コンテンポラリーはデザイナーブランドの様に独自の世界観が追求もしくはリアルクローズになっていく
ナビゲーターの別所哲也さんのコメントが素敵でした。よかったら、タイムフリーで聞いてください。
今週の日曜日、11日まで聴けます。
http://radiko.jp/#!/ts/FMJ/20201005060000
(番組開始後 1:19後のところから始まります)
★SNSでも情報を発信しています
▼2017年10月以前の過去記事はこちら