山中 健
「マトフ」 日本の風土に根差したサステナブルなコレクション
日本の技術や文化を大切にしたコレクションを発表し続けているブランド、「マトフ」が2020秋冬コレクションを発表しました。
ここ数シーズンは、ムービーとデザイナーやモデルのプレゼンテーションをミックスしてコレクションを発表していましたが、今シーズンはオンラインでムービーと画像を配信しました。ギリギリまで対面でのコレクション発表を予定されていましたが、コロナ禍の影響で中止となりました。そこで、自宅でくつろぎながらムービーを拝見したのですが、とても癒されました。
日本各地の産地をデザイナーが巡る「手のひらの旅」シリーズ。これまでも各地の職人の仕事ぶりやこだわり、そしてその土地の風土を、デザイナー自らのナレーションで伝えるムービーを公開してきましたが第4章はさらに心に響く内容でした。タイトルは「循環する命」。前回でも取り上げた藍染を探求。ウールやシルク、カシミアなどの秋冬の素材に使うことに挑戦しています。そして、徳島県の山間部の上勝町にある暮らす人々を通じて、日本ならでは「サスティナビリティー(持続可能性)」を問いかける内容です。
何より目をひくのは人々の営みと町づくり。上勝町は、「ゼロ・ウェイスト(ムダ、ゴミ、浪費ゼロ)を日本で最初に宣言した町です。住民が自ら45類以上のゴミを分別し、80%以上のリサイクル率を達成しているとのこと。この街に暮らす有機農業、クラフトビール、カフェの若き経営者をデザイナーたちが訪ね歩きます。
コレクションではこの上勝町の杉の間伐材をチップにして和紙を作り、それを糸にして織った新しい織物「KINOF (キノフ)」を使ったジャケットやドレスをデザインしています。
「サステナビリティー」だけでなく、動画を見るだけで和む「ウエルネス」も感じるコレクションムービーでした。
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