山中 健

2018 08 Apr

インキュベーション型セレクトショップ「R for D」

 

週末に、セレクトショップ「R for D」に行ってきました。場所は、人気エリアの奥渋谷、神泉駅近くの松見坂交差点にあり、住所も目黒区駒場。

半地下の店内は、約200平米と広々。売場は、ブランド別に編集されており、取り扱いブランドは約20。東京コレクションでショーを行ったボディソングなどもありますが、スタートアップしたばかりのデザイナーも多く、東京の若い力を感じられる店です。

また、こちらのセレクトショップの特徴は、ミニモール的にブランド自身とレントをシェアするという経営方法。オーナーは、一緒にコレクションを取材していた近藤さん。まだ30歳を超えたばかりの、若きオーガナイザーです。20代の頃から、シェアハウスをしたり、イベントをやったり、穏やかな性格ながら色々な事に取り組んでいました。このお店も、これまでのノウハウが生かされています。

このようなミニモール型とも、スリフトショップ型とも言えるプラットフォームを持つセレクトショップ。欧米などでは、時々見られます。有名なのは、ウォルフ&バッジャー(Wolf &Badger)。ロンドン・ノッティングから始まり、ドーバーストリート、そしてNY・ソーホーにも店を出しています。

立派なところでは、コレットやレクレルールもこれに近いとも言えますが、若手デザイナーのインキュベーション的機能としては、ウォルフ&バッジャーが最も近いかと思います。

今、ファッションキャピタルのセレクトショップの経営は非常に難しくなっています。高まる家賃を吸収できない掛率、限定される人気ブランド、バッティング問題・・・。そのため、若手デザイナーを取り扱う店は減少気味。多くの若手デザイナーは、地方店での取引しかなく、都心で消費者と接点を持つことが難しくなっています。

そのような経営環境の中で、このようなインキュベーション型セレクトショップが渋谷エリアにできたことは、業界にとってとても意義のあることだと思います。

若いデザイナーたちと若いオーナーたちが、新たな発想で作った同店。これからも注目・応援していきたいと思います。