山中 健
ファッションとエンターテインメントの融合ますます進む
今月、招待していただいたプレビューやレセプションなどで感じたのは、「エンターテインメント業界とファッション業界が融合している」ということです。
その背景にはストリート全盛と言うファッション環境もあると思います。ストリートファッションは、アイテムの単純化を生んでいます。それぞれカラーや素材などに対する工夫は見られますが、アイテムは、マウンテンパーカ、ボンバージャケット、プルオーバーやフーディー、ルーズフィットパンツなど、鉄板なもので構成されているのがほとんど。そこで、優先順位が高くなるのが、「誰が作ったのか」でしょう。
元々、HIPHOPやラッパーの大物が引き起こしたのがストリートブーム。これが、リアルマーケットにおいてはローカルなスターとの融合がますます進んでいます。日本においてはエグザイルトライブがその担い手。「LDHアパレル」というアパレル会社がブランドを次々と発表しています。他にも元SMAPの香取慎吾氏によるブランドも登場しました。ナノユニバースと東京西川のコラボでは、naoto氏、秋元梢さんの他、野口強氏も参加し話題を集めました。
芸能人が手がけるブランドというのはこれまでも多いのですが、現在の取り組みはそれまでとちょっと違います。芸能人をアイコンとして使用し、実際はアパレル会社のプロが製作するというのではなく、業界の大物を一緒に登用して、ファッションそのものとしても価値があるものを作っています。香取慎吾氏の「ヤンチェ_オンテンバール」は、大物スタイリストの祐真朋樹氏を、3代目J Soul Brothersのnaoto氏の「STUDIO SEVEN」はデザイナー三原康裕氏やNIGO氏などの起用により、ファッションプロの目にも叶う品づくりを実現しています。
そしてタレントやセレブリティーをアパレル会社が起用するだけでなく、芸能関係の会社がブランドを傘下に入れる例も。例えば、2016年には芸能事務所「アミューズ」が「ミュベール」、「ジュンハシモト」、「鷺森アグリ」を傘下に入れています。このような事例もどんどん増えるのではないでしょうか。
野口強氏による「ナノユニバースx東京西川」
naoto氏による「Studio Seven」
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