山中 健

2017 26 Dec

ラグジュアリーに戌モチーフが次々と

2018年春夏のプレビューに行くと、ラグジュアリーブランドに犬のモチーフものが増えていることが目に付きます。エトロのプードル、ブルックブラザーズのテリア、モアナの秋田犬、、、、。これは、もちろん2018年の干支にちなんだもの。

 

実は、ラグジュアリーブランドは中華圏マーケットを睨んで以前から干支モチーフを送り出してきました。しかし、日本ではあまり目にしなかったのではないでしょうか。なぜ、今年は犬モチーフを日本の多くのラグジュアリーブランドの店頭の並ぶようになったのでしょうか。私は以下の2つが理由かと思います。

 

1.扱いやすいモチーフ

日本の消費者は、ラグジュアリーブランドに非日常性を求めます。そこに干支が入ると、日常が入りこみ興味がなくなる消費者も少なくないかと思います。特にアジアチックな猿、鶏、猪などはよりそうなるではないでしょうか。日本でジャポネスクが広がりにくいのと一緒です。

しかし、犬は欧米イメージもあり、メンズではトラッドの世界で多く取り上げられてきました。そのためファッションとして提案がしやすいのかもしれません。

 

2.インバウンド

ラグジュアリーブランドの直営店は、日本人に本国の世界観に伝えるだけでなく、アジアのショーケースとしての役割を担っています。むしろ、後者の方が重要な役割となっているかもしれません。特に中華圏の消費者に対するマーケティングには重要です。その中華圏の消費者は、縁起の良いものが好きです。ラグジュアリーに対する憧れはもちろんありますが、それを自国や自身の価値観の中に取り入れる傾向が強いようです。干支モチーフなどに対するモチベーションも日本より高いようです。

 

2019年は亥年。なかなかファッションにとっては取り入れにくい干支ですが、中華圏にとってはとてもおめでたい干支。来年の今頃はどんな提案になっているのでしょうか。