内田 文雄
JNTO(日本政府観光局)の地下鉄ラッピング広告!
最近上海の地下鉄に乗るとたまに目にするのがJNTOの「日本へお越しください!」という車内ラッピング広告。
確かに昨年来のコロナ禍で海外、特に中国からの観光客が激減していることは理解できます。JNTOのプレスリリースによると「2021年1月の訪日外客数が、46,500人(前年同期比98,3%)となり、16ヶ月連続で前年同月を下回った」とあります。また昨年12月下旬以降、日本における新規入国の一時停止や検疫の強化措置も取られている状況です。
来たるべき時に向けて是非日本に観光に来て欲しい!というアピールなんだろうと思うし、日本政府としてインバウンド促進の一環であることも理解しています。ただ「本当に今のタイミングで広告が必要なのか?」については甚だ疑問です...。確かに中国は昨年夏頃から徐々に収束に向かい、今は既にアフターコロナ状態になっている事実はありますが。
車内天井とドア付近に代表的な日本の風景写真が貼られています
冬の日本のアピール?ただ写真が大き過ぎメッセージが弱く感じます
ドア付近のメッセージ、天井部分とは逆に伝えたい要素が多すぎてよく分からない...
中国はコロナコントロール体制が本当に厳しく、1人でも感染者が出ればそのエリアを封鎖するなど徹底管理をしコロナを拡散させない処置をしています。中国の国民もコロナに関してはかなりセンシティブになっているし、日本を含め海外のコロナ状況を常に見ています。
一方で先週も1日に何百人も新たな感染者が出ていて、緊急事態宣言もまだ解除されていない日本に、今のタイミングで広告を出しても、正直何も響かないと思うし、そんな危険な国に行きたい気持ちにはならないでしょう。今夏のオリンピックも開催するかしないか?まだ微妙な状況でもあります。
更に言うと日本に行けば2週間のやや甘めの隔離、そして中国に帰国しても非常に厳しい隔離生活、つまり1ヶ月近くも身動きが取れない状態になります。昨年来、私の周りの知人達から「コロナが収束したら、どこの国よりもまず真っ先に日本に旅行に行きたい」「温泉に入りたい!」「京都に行きたい!」...など本当に日本が旅行先として人気で有ることは間違い無いし、非常に喜ばしく嬉しいことです。
ただ、だからと言って「広告のタイミングが...今か?」という疑問しか残りません。日本の年度末で予算を使わなければならないとか、様々な事情が有るのでしょうが...。これに税金が使われていると思うと...残念です。仮に広告を打つならばオリンピック開催決定後でも良かっただろうと思います。
それでは!