内田 文雄

2020 02 Jan

中国VMDコンサルティングの本質とは?

VMDという職種で中国でコンサルティング業を生業として起業して早9年が経ちます。

 

起業当初は日系企業との取組みからスタートするも、元々中国アパレル、小売企業をクライアントに持ちビジネスをやりたかった為、起業2年目から中国企業を積極営業含め攻めたことも有り、お陰様で多くの中国アパレル、小売企業から声が掛かる様になり今に至ります。もちろん今も定期的にセミナー開催、営業活動はやり続けています。

 

これまで何度かこのブログでも書かせてもらっていますが、VMDと言っても実は凄く広い業務領域を指します。一般的にはウィンドーや店内のディスプレー陳列、内装インテリアディレクション、新店OPENディレクション、マネキン/ハンガー/備品開発、グラフィックデザイン、スタイリング指導、店舗クリニック、様々なマニュアル化...などを担うと思います。

中国の代表的歩行者天国ストリート南京東路

 

弊社が中国でコンサルティングしている企業には上述項目は当たり前に担いますが、VMDに特化したコンサル領域ではあまり行わない、MD(商品企画/計画、売上計画、MD標準化...)業務、マーケティング(リアル店舗/EC、両面のプロモーション、販促、効果検証...)業務に重きを置いている事が他のVMDコンサルの方々と違っているのではないでしょうか。

 

要はアパレル小売の業務構成が3段階有ると仮定したら、現場を担うVMDは最後の最後の第3段階目だと思っています。例えばこのVMDの何かを変えても、単なる点の変化であり、瞬間的な成果しか出ないのです。更に言うと中国のアパレル、小売企業のVMDレベルはこの3年間で飛躍的に伸びており、日本からVMDの方々も中国に指導に来られていますが、私が周りから聞く情報では、結果的に指導期間は長く続いていないと思います。

 

まず第1段階は如何に商品企画精度を上げつつ何の商品を、いつ、どれだけ売るか? 次の第2段階はその商品を売る売り方(マーケティング)、それも直営店舗政策のみならず、中国でブランド最大化策の核心となっている代理加盟店施策を提案することなのです。もう少し詳しく書かせてもらうと、多くのアパレル、小売企業は年間数度開催される展示会で加盟代理店が行う発注を、如何にうまくブランド側がリードして、如何にブランド側の思う様にコントロールできるか?を知りたいのです。その具体策を愚直に指導しています。

 

ですので第3段階だけを担うコンサルティングをやっても、中国では意味はないと考えています。もちろん、多くの企業は弊社に対して、第3段階のVMD内容だけを求めてこられますが、弊社は第3段階だけの依頼は基本的にはお断りしています。

 

その第3段階だけのVMD業務は他のコンサル(日本や韓国、欧米...)の方々でもやれる訳です。誤解を恐れずに書かせてもらうと、他の方々がやれることを弊社がやる必要はないと考えています。

 

昨年末に或る中国某アパレル企業から「2020年VMD改革からブランド構築と売上向上」の依頼があり、上述の様な第1-3段階全体感をプレゼンし、結果的に何とか弊社がPJを勝ち取る事ができました。その企業から事前に「日本の某VMDコンサルの方と競争です」と聞きましたが、弊社は弊社ができる内容でプレゼンしたまでです。

 

新たな2020年だけで無く、これからも同じ手法で弊社は取組みを続けていきたいと思います。

 

それでは!