内田 文雄

2020 09 Jan

Luckin coffeeの勢いが止まらない!

中国に来た事がある方はもちろん、来た事が無い方でもメディアからの情報として「Luckin coffee(瑞幸咖啡)」という名前や青い鹿のロゴを見た事があるかと思います。私もよく利用する新興コーヒーチェーン店です。

 

 

今日8日にLuckin coffeeの戦略発表会がありました。要は「新零售(ニューリテール)の一環で無人のコーヒー自動販売機分野に進出する!」というもの。

少しこのLuckin coffeeを説明すると、2019年12月31日時点で中国全土に4,507店舗の直営店舗網を築いているコーヒーチェーン店です。その数は既にスタバを抜いて中国NO.1。昨年5月に会社設立から僅か18ヶ月という、史上最速でナスダックに上場したことで話題をさらいました。ただ多額の資金投入による赤字(戦略的赤字)額の大きさでも話題となっています。

 

Luckin coffeeの特徴は「待たずに飲めるコーヒー」つまり、全店舗でモバイルアプリによる注文、決済の仕組みで、自ら取りに行くもよし、デリバリーしてもらうもよしと利便性を最大限に謳った戦略で、この2年で飛躍的に知名度を上げています。これまで人が対応していた業務をデジタル化させて、店舗運営の効率化を図るビジネスモデル。人件費や賃料のカット、回転率の向上を実現し、利益を最大化させています。価格もスタバの7掛けと安いこと、続々と新商品も出してお客さんを飽きさせません。これにはスタバも対抗意識を燃やして、北京に「Starbucks Now」というモバイルオーダー専用店舗もオープンさせています。

 

テンセントグループ(美团点评)との提携で、自社で提供するデリバリーも特徴。配達料は6元(約90円)で35元(約550円)以上注文すれば無料。2杯以上の注文で3杯目が無料サービスというキャンペーンも常に実施しています。

 

今回はそのLuckin coffeeが、いわゆるコーヒーの自動販売機を保証金など無しにして、全国のOFFICEビル、空港、駅などの公共施設機関、大学、ガソリンスタンド、病院、などコーヒー自販機を置いて欲しい先を広く募集して、導入していくというもの。

 

紹介動画を見て驚きました。いわゆる日本の缶コーヒー自販機という代物ではなく、ちゃんと都度ドリップした淹れ立てコーヒーを提供、ミルクも新鮮なもの、カップサイズも店で購入するものと同等の16oz、などこれまでのコーヒー自販機と比較しても雲泥の差となっています。

 

わずか5年で4倍に成長した中国のコーヒー市場、2020年は3,000億元(4,5兆円)、2025年には1兆元(15兆円)の規模に達すると予測されています。そういう拡大するマーケットの中でのLuckin coffeeの新たなチャレンジ、あと数ヶ月したら街にお目見えするこのコーヒー自販機で暖かいコーヒーを買ってみます。

 

それでは!