生地 雅之

2023 04 Sep

新規事業が育たない-2

新存事業頼みから抜け出せない伝統的企業が、どうやって新しいことに挑戦していくか?
既存事業も全うにできない(脇が甘く縮小規模にしても黒字化ができない=コストカットしても黒字化ができない)企業が新規事業は難しいと思いますが、「餅は餅屋」の外部(プロ)に依存するなら話は別なのです。
自社開発・内製主義への傾倒を脱し、外部の力も使って新しい事業を創出し競争力を高めようというのがオープンイノベーション。提唱されて20年、だいぶ定着したか?

しかし、既存事業も企業は、特に小売業はローカライズ&カスタマイズしないと生き延びない業界なので、または、ONLY-ONEかNUMBER-ONEなのですが、如何に差別化するかなのです。自社商圏の徹底把握(自店に来られるお客様の徹底分析RFMも)とカテゴリーの専業のプロの育成に尽きるのです。

まずは、箱(館)を作って何を入れるかより、プロカテゴリーの積み上げが館になる発想への転換が必須なのです。専業のユニクロ・ニトリ等の営業利益率の高さを見ても、(メーカーは買取=利は元にあり)一芸に秀でないと生き伸びないのです。
勿論、お客様の目線での買いやすさ優先(共通項の設定)を前提にして。

百貨店得意のコーデネイト販売も一般的に小売業の他業界よりも、ハイグレードな商品を導入されている取引先が多いのですが、コーディネイト提案しても、フルに購入されるお客様は稀であり、2~3枚までが多いのです。その1枚が今まで購入された商品と並べて、見劣りすれば、2度とその店には来られないので、単品の力が120点(ハイグレード)の商品による
コーデネイト販売にしないとNGなのです.

よって、カテゴリーの専門家によるプロのMDが必要なのです。そしてプロのブランド・ディターによる「テイスト軸PB」開発が必須になるのです。
メーカーが商品を作るのですが、自店の来られるお客様を把握しているのは自社・自店のみなのです。メーカーはそのデータを活かしたモノづくりはできないので、結果PBが必要不可欠なのです。

*どこかの百貨店の店長に外商向けハイグレードな商品紹介(1年に1回転もしない高額品で、常駐売場が作れない)をさせて預いた時に、メーカーの社長にこのような良い商品を自店の外商顧客にお伝えして欲しいとの要望を出されたのですが、当該店の顧客は、メーカーが詳細も把握してないので無理とお断わりさせて預きました。
このような自社の役割を理解していない小売業は少ないと思うのですが、残念な一例です。

よって、如何に専門的MD(小職がいつも提言しています外商にもECにもリアルのようなバイヤーが必要に繋がるのです。既に百貨店にはバイヤーは不在か?

企業は一般的にゼネラリストのマネージャーの育成に目を取られているのですが、全員が経営者になれる訳でもなく、次代の経営者はTOP自らの目で選ぶべきであり、ギャラの高いスペシャリスト(MDやバイヤーや販売員等)の育成も必須なのです。新規事業も素人の「思い付き程度」アイデアのみではなく、それのビジネスになるか否かの判断のできる(営業センスのある)マーチャンダイザーの育成が不可欠なのです。如何に少ないか!

自社・自店データを分析・解析、つまり自社の営業利益を寄与できる
ビジネス・フローチャートを描けるマネージャーが不在では、真面な新規事業が育つ筈もないのです。
課題はここのみです。

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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