生地 雅之

2019 07 Jan

年始の店頭リサーチ-1

年始(1月2日)に下記のお店に行ってきました。

1.横浜PORTA

JR横浜駅からそごうに抜ける地下通路にはいつも賑やかなイベントが開催されており、ついつい覗いてみたくなるのです。今回はJUN-RED他のファッションセールでしたが、、

2.横浜そごう

元旦からの営業にも関わらず、そこそこお客様が入っていました。ここ数年随分と高島屋との差は詰まってきています。スノーボードの催事は上層階で、判りにくい特設会場で開催されており、閑散としていました。このターゲットへの告知不足なのでしょう。

3.横浜ルミネ

セールでなくても混雑しているのですが、1Fの一等地のユナイテッドアロ―ス等は過去の隆盛期の百貨店で言う、現在のFB(ファッションビル)におけるラグジュアリーなのでしょう。

4.横浜高島屋

横浜駅西口はまだ工事中なのですが、それなりにお客様は混雑状態ですが、今年はとの取り立ててのイベントは目につきませんでした。それにしても子供服やスポーツウェア売場にはレジに列をなし、如何にプロパーの価格が高いのかを物語っていました。

 

今回と次回のリサーチでの百貨店を見ても、セールになってのみの集客が目につき、百貨店の一部のロイヤルティの高い客層を除いては、一般的な百貨店客層においては、価格のみでしか興味がないのではと考えさせられます。もう一度百貨店の持ち味を見直し、「付加価値ビジネスとは?」の原点に立ち返って見る必要があります。

また、イベントの在り方もポップアップでの集客がメインではなく、個々のショップが輝いていないのに、集客だけでは売れる筈もありません。もう一度ショップやテナントのMDにまで口を出せるほど研鑽し、ポップアップではなく、個々のショップでのMDイベントと一緒になってお客様満足度を向上させるべきではないでしょうか?

 

5.ジョイナス横浜

いつもながら安定した集客です。

6.新宿高島屋

横浜そごう同様徐々に新宿地区で頭角を現してきています。特に食品や紳士雑貨等は混雑しています。ここは1~2Fを食品にしても十分戦えるものと思われます。これからの百貨店はデイリ―ユースの食品(銘店や喫茶)をどこに位置させるのかが重要ではないでしょうか?

7.NEWoMAN

徐々に入店客が増えつつありますが,

まだウィンドウショッピングに位置付けからは抜け切れていませんが、、ここは銀座ではないのでG-SIXの様にはいかないのです。喫茶のみは混雑状態なのですが、、

8.新宿ルミネ

上記横浜ルミネ同様セールでなくても、、これからのトラフィック系の商業施設は上手にやれば「バラ色」の未来が開けているのです。

9.新宿京王

それなりに混雑状態ですが、場所柄スポーツウェア売場は奥まっていていま一つです。横長の売場は表記・告知にいま一つ工夫があれば新規客も諦めないで目的地まで辿り着くでしょう。池袋東武の番地ではなくGMSのように柱面のヴィジュアルも併せれば、、

10.新宿小田急

初売りで混雑しているのは当然ですが、久しぶりに百貨店の現場力を見ました。今までの百貨店は催事場でもなければ、プロパー売場のアイテムをセール時期だからと言って、別のカテゴリーのセール売場へ変更する事もされないのがスタンダードでしたが、今回婦人雑貨の通常ハンドバッグ売場をこの寒さに合わせ、同じ婦人雑貨とはいえマフラーやストールの売場に変更し大賑わいでした。このような小さい事でさえ中々出来なかった百貨店が動いたのです。大きな進歩と見るべきでしょう。

 

今までの百貨店は、過去のようにお客様は勝手に来られるので動かなかったのですが、来ないので自らお客様の前に動いたのです、これを大きな進歩と呼ばずに何を進歩と呼べるのでしょうか?現場はこの積み重ねこそが大きな山を動かせるのです。期待しています。

この現場力と経営層の百貨店の今後の方向性(場所貸しから買取への脱却)との協業こそ新しい百貨店像を生み出してくれるのではないでしょうか?すべては現場(売場)=お客様ありきです。

弊社の買い易い売場構築(理論もリアルもECサイトも)が必要不可欠な時代です。

(繊研新聞2018年12月4日付STUDY-ROOMへの小職の寄稿記事参照)

 

11.池袋西武

このエリアはまた西武が東武に差を付けつつあります。そごう西武が地方郊外店よりも基幹店に総力を費やす点は企業としては当然のことなのです。三越伊勢丹と同様に当然のことなのです。

 

地方郊外店は即退店のように、再生方法がないのは残念ですが、地域のお客様になって考える事です。「何が不足か」が見えていないのでしょう。他社がリーシングの家賃収入で安定すれば「右になれ」状態で、入居しているテナントの継続性など気にもしていないのです。

ビジネスはお客様とテナントと自社がWINWINにならないと継続は不可能なのでテナントに知恵が無い限り、いずれ破綻する事が見えています。要は「他力本願」なので残念ながら自力では何もできていないので、他者の力を借りてでも地域再生を遂行して頂きたいのです。

(繊研新聞2016年12月6日付STUDY-ROOMへの小職の寄稿記事参照)

 

12.池袋東武

残念ながらセールでも今一つの集客です。現場に元気がないのは残念です。

13.池袋ルミネ

上記ルミネ同様セールでなくとも入店客が安定しています。

14.東京大丸

夕方でもB1F~1Fの食品を中心に混雑していました。

 

東京大丸も新宿小田急と同様に、セールに徹底していて素晴らしい一言なのです。セールになれば婦人靴売場はプロパーのように整然と並べていなく、同じ面積に2倍の靴を並べていてボリューム感を出しているのです。商売としては徹底した売上至上主義なのです。

伊勢丹のセール用ショッパーとは逆の発想です。セール用ショッパーは一目でセールと判る柄であり、家の近辺で伊勢丹のセールを買ってきたと周辺の方から見られるのですが、プロパーと同様なら中身がセールでも百貨店で購入してきたと見られ、満足度も高くなるのです。三越は1種類なのに何故わざわざ、変えているのでしょうか?過去に当時の社長(前社長)に聞いても今一つ。

 

15.日本橋高島屋

イベントも強いこの店は顧客エイジが高いので、流石に夕方客足が引けてています。

16.日本橋高島屋SC

プロパーと変わらず、食品以外は閑散状態です。コメントは過去(OPEN時)のブログに記載。

17.日本橋三越

日本橋高島屋ほどではないのですが初売りも安定し、ここだけのお客様の囲い込みが奏功しているのでしょう。但し、日本橋の高島屋同様、次世代の取込なくして将来はあり得ません。

特に、本館新館の在り方も重要です。同様に新宿伊勢丹の本館とメンズ館も、、

18.銀座松屋

銀座三越が休日の為のみではなく、松屋特有の味があり潤っています。但し、今後都心のみではなく、地方郊外店の単店での存続は微妙ですが、地域のお客様の顔が見えるか否かが勝負でしょう。小売業はローカライズ&カスタマイズしないと生き延びないのですから、、

(上記、繊研新聞の「百貨店大編集時代の到来」をご一読下さい)

19.阪急メンズ東京

安定した入店客で、下層階は特に混雑しています。

20.有楽町ルミネ

阪急メンズ東京よりも入店客がいま一つで、残念です。

 

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

 

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。

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