生地 雅之

2019 14 Jan

年始の店頭リサーチ-2

年始(1月3日)に下記のお店に行ってきました。

お客様目線のコメントであり、事情は忖度したものではありませんのでご了解ください。

 

1.ららぽーと立飛

JR立川駅からモノレールにて5分程度の立飛駅前にある好立地のSCです。初売り3日目ですが、朝からお客様もそこそこ来館しています。最近はWORKMAN-PLUS1号店(従来の作業服はなくカジュアルのみ)として話題になり、土日祝には入場制限までしている状況です。

WORKMAN-PLUSについては、2号店の路面店の「中野島店」(作業服とカジュアルの複合型)や3号店の「ららぽーと富士見」が出来、単体でブログにコメントしていますので詳しくはコメントしませんが、店頭商品在庫の在り方やヴィジュアルにはまだまだ伸び代があります。

その事もそうですが、ららぽーと側が当初のWORKMANの新規事業発表の内容で、よく出店の判断をしたものです。素晴らしいものです。当初の発表では実験店的であり、ここまで火を付けるとはWORKMANでさえ計画はあったとしても、想像できていなかったのでしょうから。

 

 

2.立川高島屋

初売りでも入店客はまばらであり、テナント化していてもテナント側の売上が確保できなくなるのは明白です。2Fがメイン入口なのですから、2Fに飲食物販(銘店やお持たせ等とイートインやティールーム)にし、B1Fに惣菜などや生鮮3品に2層にした方が良いのではと考えます。

食品の2層は既に多くできてきていますが、離れた2層はまだ少ないのです。この店は1Fにラグジュアリーが半分とコスメが半分固定され、目的買いも多く1Fはこのままでも、この店にてリアルとしてのラグジュアリーが必要か否かは別途議論の余地あり。

食品の離れた2層はアトレ川崎が参考になり、1Fのファッションを挟んでの食品の2層は、JR駅から2F直結の入り口も含め、活性化の導火線になっています。

地域一番店の巨艦のラゾーナ川崎に向かって、知恵を絞って出来る事を粛々とこなしているのです。固定概念を外して、素晴らしいの一言です。

 

3.立川伊勢丹

セールでそこそこのお客様が入っています。しかし後ろを歩いているお客様のコメントは「いつもはガラガラなのにどうしたの?」と夫婦で話されていました。立川高島屋よりはましですが、これが実態なのです。

 

プロパー展開時期の入店客は少なく、セールにて多くの来店があると言う事を当たり前と捉えないで、一度立ち止まって考え直してみますと、如何にプロパーの価格が高いと言う事の現れではないのでしょうか?また、割引での売上が増加していて5%程度の割引も含むと割引売上が全体の半分になんなんとしている百貨店も存在しているのです。

無駄な商品を作りすぎず仕入過ぎず、値下げロスを少なくして利益の無い売上を減少させ、適正な価格で商品購入して頂けるように、アパレルともども向かって行くべき時代に来ているのではないでしょうか?FBやSCの恒常的値下げ販売も同様ですが、、

売上は現状維持予算で、利益額を増加させる予算なら、今までのやり方を変えないと達成できないので、知恵を絞る事に向かうのです。売上を3%増加させれば、利益も3%増加する仕組みのままなら、知恵を出さなくても良いので、何ら変わらないのです。

 

4.立川ルミネ

JR立川駅直結の好立地であり、安定しています。

 

5.グランデュオ立川

百貨店が2店舗ある北口の反対側でありいま一つですが、上記のアトレ川崎のように知恵を絞ればまだまだやりようはあります。

 

6.八王子OPA

JR八王子駅のCELEOの南館の向いにあり、イオンが運営しています。通常のFBですが、北側に八王子そごう跡地にCELEO北館が出来、それまでの八王子駅の乗降客も根こそぎ取っているように見受けられます。今までの百貨店客はその中の京王プラザで、それでも不足のお客様は一部JRで10分の立川に流れたようですが、立川の百貨店も大して取れていません。要はこのエリアには百貨店がオーバースペースであったのでしょう。

今回掲店を訪店した理由は、イオンスタイルのデジタルラボが昨年11月末に開設した店だからです。JR駅から直結の2Fフロアの奥の柱巻きの後面に小さくコーナーがあり、女性担当者が2名暇そうに立っていました。最初は判らずに最上階まで全フロア探しましたが見つからず、テナントのショップの販売員にも何人か聞いたのですが、誰も場所どころか存在そのものも知りませんでした。表記も見当たりません。

デジタルラボの担当女性に話を聞くと、近隣のイオンがなくなりイオンの商品が手に入らないので、このデジタルラボ(サイネージで)NETで発注し、自宅配送か自宅近辺のイオンで引き取れるというサービスのようです。

 

ビジネスの手法には問題があると思われます。これはやって見ないとわからないとの思いでやっているのでしょうが、これはやって見る前で既にNGと考えられるビジネスモデルと言えるでしょう。それ以前にどのようなビジネスを構築しても、伝えたいお客様に伝えられない仕組みになっている事の方が大きな問題であり、ビジネスとして、ターゲット設定、ビジネス案、それをそのターゲットにお伝えする手法まで一気通慣にして初めてビジネスモデルが出来、それにコンテンツが適しており、指の先まで血が流れるように繋がって初めて結果が出る状況になるのです。それでも好結果が出るか否かは別であり、漸くビジネスのスタートなのです。

 

7.八王子CELEO

初売りの割には勢いがいま一つですが、エイジ幅のあるお客様層を確保できているので、これからいくらでも施策は打てるようになるでしょう。

 

8.吉祥寺コピス

JR吉祥寺駅から徒歩5分程度の元伊勢丹吉祥寺店の跡地に出来たSCです。A館とB館に分かれ、ファッション系の方はいま一つの入店であり、もう一つのアミューズメントやファミリー対象の館は子供連れを中心に賑やかになっています。

 

如何にファッションだけでは面白くなく、来店に値しなくなっているのか、単純にライフスタイル型をやれば良いのかではなく、ファッションそのものの魅力を再考した上で、テイスト軸とグレード軸を揃えたライフスタイル型にシフトしていく力がなければ未来はないのでしょう。

 

9.吉祥寺東急

上記百貨店同様、セールになって来客はそこそこいらっしゃいます。いつもは閑散としているのに、エイジの高い女性の固定客で支えられているお店なのです。

 

百貨店は今の内に

  1. 自店その固定客の買い回りを増やす事、
  2. 次にその固定客と同等の周辺新規顧客に向けたアプローチ(コンテンツを変えずに対応可能)、
  3. 次にメインターゲットエイジの30歳下の子供たちに来店して頂ける次世代対応を意識したコンテンツや売場作りを実施(アプローチは親からで)

この順番で数年かかっても施策を準備して手を入れないと、高齢化した百貨店の未来はありません。(逆にヤング層に強い僅かの百貨店の次世代30歳上の親です)

 

10.吉祥寺アトレ

上記立川ルミネ同様です。特にロンロン(食品)はいつもすごく賑わっています。名前を変えられない事も理解できますが、いつかは、、、

 

11..キラリナ吉祥寺

安定したFBですが、ショップには波が出始めているようです。

それにしてもマークシティみなとみらい同様、エスカレータの位置を間違うとそう簡単に変更できないので、最初からまともならもっと簡単に売上が取れた事でしょう。通常は妥当なのですが、特に素晴らしいのはテラスモール湘南(4箇所の配置)です。

 

12..新宿伊勢丹

2日に新宿では見られなかったのですが、さすがの伊勢丹です。売場リニューアルを始めているメンズ館には波が見えましたが、

 

どの百貨店もそうですが、特に好立地の百貨店は特に買い回りが悪く、滞留時間が短くもったいないのです。百貨店は買い回りを忘れると売上が伸びないものなのです。もっと知恵を出せば、、特にサイトの買い難さはできていなく、サイトを見やすくし目的買いのみではなく他のカテゴリーまで買い易くするだけで売上増加(1客単価増加)は簡単に出来るのです。

 

13..マルイメン新宿

物販を軸には置いていないのですが、百貨店同様セールでの入店客はそこそこなのです。金融主力とはいえ、自店でのお買い物でのエポスカード比率は無視できないので、もっとリアルでの売上拡大にテナントリーシング側としても、ショップ側に口を出さなければいけなくなってきているのではないでしょうか?また、マルイは新宿とはいえメンズ館が必要なのでしょうか?

 

14..トウキュウプラザ

一等地にありながら、喫茶店以外はいつも閑散状態です。

ターゲットの見直し(もっとグレ-ドを下げるべき)から入らなければ永遠に難しいFBです。

 

15..東京ミッドタウン日比谷

来たばかりの話題の館ですが、ウインドウショッピングです。

ターゲットの見直しから入らなければここも永遠に難しいでしょう。

 

16.日比谷シャンテ

ミッドタウンに食われていると思っていたらなんとなんと自館の味を出してそれなりにでした。

17.銀座三越

それなりに混雑状態ですが、上記新宿伊勢丹同様。

 

18.G-SIX

来たばかりの話題の館ですが、既にウインドウショッピング状態です。

安定しているのは食品のみで、化粧品も既に今一つです。上層階のTUTAYAのティールームも入店客が減っているように見えます。しかしリーシング側は家賃で安定していますが、

 

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

 

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。

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