生地 雅之

2024 01 Apr

新規事業が育たない・2

過去にこのテーマで記載しましたが、それ以降もまだまだ手を出しても、育っていないのです。

例えば、ソニープラザを買った企業がソニーを取り、プラザとして運営しだしたのですが、最近手放したのです。儲かっているなら手放す事はないと思うのですが、儲かってはいなかったのでしょうか?この企業は他にディンプルと言う人材派遣企業も持っていたのに手放しているのです。

この企業は当時の社長と同級の現場に精通されている専務が

再生されたのです。方法は百貨店の持ち株会社の子会社は他の百貨店マンが多いのか、企業への営業力が弱く(買い手市場になれているからか?)なかなか営業先の新規開拓ができていません。それに気づいた専務がその子会社のTOPと営業部長を従え、自分のネットワークの広さを使い、連れて歩き新規口座を獲得しているのです。その後は子会社の営業が日参し、仕事を受注してくるのです。特にどこもやっている派遣事業ですので、どの企業も日当はほぼ同じなのです。要は顔出し回数で親しくなっての受注確保なのです。昔で言う「足で稼ぐ」なのです。自社のみ秀でたメリットでもあれば「引く手あまた」なのでしょうが、同じもの売るには汗をかくことが必要不可欠なのです。要は「当たり前の事を当たり前のように実行すること」なのです。

過去から幾度も提言しているように、「新規事業が何故育たないのか?」

1.何がしたいのか?

2.そこに向けてのマーケティング不足。

3.戦略の立案・実行

このフローチャートが描けていなく実行もできていないのです。

それよりも先に、既存事業の立て直し(小売業で言えば、営業利益率を最低2桁までは)

それ以上達成すれば、目標より突出した分を翌年の新規事業投資経費にするくらいのシビアさも必要です。

 

補則)3月11日付けブログで、SPAと言う言葉を使いましたが、SPAとはスペシャリティストア・オブ・プライベートレーベル・アパレルの略であり、TPOと同様の和製英語なのです。TPOは「洋服の歴史の浅い日本に、時と場所と場合を弁えた服装の服装を」と日本メンズファッション協会が提言したテーマなのです。SPAは統合前の当時の伊勢丹社長と業界紙の繊研新聞社の百貨店婦人担当記者が名付けたと聞いています。世界初のSPAのジョルダノをGAPやユニクロが参考にした話は有名です。

現在日本ではターゲットは違えど、セレクトショップと言う言葉も既に合ってはいませんが、ユニクロ以外に、ユナイテッドアローズがユニクロとともに高営業利益率で成功しています。

 

3月18日付ブログにて、ワールドのオフプライスショップを記載しましたが、その後展開が止まりだし、新しく(ワールドにとっては)OMOショップを展開しだしました。

これは過去には渋谷西武が「チューズベース渋谷」を展開し、要約2店目(千葉そごうの食品に)を出し、閑古鳥状態です。

 

渋谷の後に丸井が新宿にて「ベータ」を展開したものの既に撤退しています。その後東京大丸で「アスミセ」を展開し、やっとアルバイトの経費が出たらしいです。人件費が掛かるので、自動販売機を置いたとの事です。それならば全売場に自販機を置けば人件費の大きな削減に繋がるのですが、これで百貨店の将来は?

 

その後、新宿高島屋で「ミーツ・ザ・ストア」を出し、物まねの域を出てはいません。

ワールドも同様に、3月初旬にマルイ有楽町店に、中旬にはマルイ国分寺店に「ギャレスト」として出店しています。見本を並べ、あるものはその場で持って帰れるのですが、店頭在庫のないものはで発注し、お客様の家に届くか、店に取りに来て貰う仕組みです。

オンワード樫山は百貨店の地方・郊外店の将来を鑑み、百貨店の中に発注できる売り場を作り、数点発注して預き、市数日後にお客様も商品をみてもらいべく、来店して、気に入った小ものだけ、購入できる仕組みを作ったのです。樫山もEC化比率も高く、25%は越している様子です。これぞ新規事業なのでしょう。

 

上記の手法(店頭在庫のあるものは持って帰れる)は東京シャツが百貨店を辞め、SCに出たときの戦略で、店頭に在庫のあるものはその場でお包みして持ち帰れるのです。その後店長が客注と言って、ゲージ見本のフォローをしていたのです。所詮1枚で作る限り大赤字なのですが、

このように、新規事業のアイデアも薄く、他社の物まねから逸脱も出来ず、埋没するのみなのです。

 

基本はターゲット設定が間違っているので、誰に売るのか、どこに置くのかが重要ですので、徹底した「儲ける力」が必要不可欠なのです。

極論になりますが、既存事業で100億円を目標としているならば、それ以上利益を上げたら、その部分のみ翌期に新規事業予算にするくらいの意識が必要です。

 

また、人事異動もどこかの企業のように、兼務だらけでは徹底した新規事業の深堀も出来ず、徹底した達成も不可能なのです。

要はできる人材の育成こそ新規事業の達成に繋がるものなのです。

 

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

 

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。

弊社へのご連絡は、HOME-PAGEのお問合わせより、お願いします。