生地 雅之

2018 09 Jul

懲りない業界

小売業界は、昨年まで厳しい環境下に置かれ(今年も?)、業績が悪化している企業も多く出てきています、しかし、反対には儲かっている企業も多くあります。その差は何なのでしょうか?ずばり、経営者の力量の差なのです。何故百貨店の業績が低迷しているのでしょうか?

 

昨今、百貨店の談合やカルテル系の問題が多発しています。もちろんすべての百貨店が加担した訳ではないのですが、業界のイメージ棄損をしているのは間違いない事実なのです。

我が社は大丈夫どころか、何度も顔を出している企業もあるのです。

 

自浄作用は働いているのでしょうか?露見はほとんど内部告発であり、内部の人しかわからない詳細が告発されているのです。公正取引員会も告発した企業には割と軽い処分でお咎めなしと映っているのは告発させるためではないかとも思われるのです。

 

告発された企業は、「公正取引委員会の査察は受け入れ協力する」とのコメントを猫も杓子も発表されていますが、部下や子会社がやったこともすべて、経営TOPの責任を免れるものではありません。しかし、「協力する」という立ち位置のコメントはいかがなものでしょうか?

 

コメントのフォーマットも百貨店協会にマニュアルがあるかのように画一化され、不思議なくらい統一感があるのです。要はパターン化され、恒常化しているように見えるのは小職だけではないと思いますが、、

 

過去に食品の賞味期限改竄問題の時に、当時の百貨店協会の専務理事(知人)に、もっとリーダーシップを取るようにと苦言を呈した事もあるのですが、まったく埒があきませんでした。協会ではイニシアティブが取れないとの事でしたが、本来の意味をなしているのでしょうか?

 

勿論、百貨店協会に責任があるのではなく、各企業に大きな問題が潜んでいるのです。

自浄作用を駆使するために、最近の百貨店は鎖国状態であり、他社との2社だけの会合や会食まで制限しているのです。このように箍をかける手法しか取れないのが実情なのでしょう。

 

現在の百貨店の置かれている立場は自ら研鑽し、お互いの枠内での情報を共有化し、お互いがそれ以上の知恵を出し合って、各社や業界を発展させるべきなのです。各社の枠内で閉じこもっていても、ボーダレスの時代に取り残されるだけなのです。

 

逆にコンプライアンスを意識できる人材育成にもっと目を向けるべきで、間違ったからやめる、閉じ込めるでは企業は発展しないのです。勿論、理解されている百貨店の素晴らしい代表者も存在しますし、逆にいちいち会社に確認している取締役や、無頓着な会社もあります。

 

勿論そのような意識の方ばかりではなく、業界に風穴を開けて改革や改善をされようとしている方もいらっしゃるのですが、そう多くは見受けられません。どうして改善して良いか分からないので、言い訳をされているのでしょう。

ほとんど固定概念にさいなまされていらっしゃるのですから、、

 

 

小職は業務には3つの軸があると考えており、

  • ブレインワーク(考える力=知恵)
  • ネットワーク(自社・自分で出来ない部分を認め、それを実現出来る人に依頼=顔)
  • フットワーク(結果を伴って初めて実業であり、実践なき理論は不要=行動力)

このうち1つでもまず磨き上げる事が必要と考えています。

 

過去のブログの「先義後利」も大丸の創業者が唱えた事とも聞いています。小売業の原点であるとも認識しています。しかし、現在の百貨店やGMSは「先義」は出来ていても、「後利」はほとんど出来ていないと思われます。

 

まず、利益が返ってくるビジネスモデルが崩れているのに関わらず、固定概念からの脱却ができていないと言えるのではないでしょうか?

  • 儲からないで社員に満足に払えるのでしょうか?
  • 社員が満足でないお店のお客様は不幸であるとの認識はないのでしょうか?
  • 儲けて税金払う事も重要な社会貢献ではないのでしょうか?
  • 社員に十分に払っているのなら、もっと業務に貢献できるような評価と仕事の腹落ちを何故させられていないのでしょうか?

 

この様な環境の中でいつまで儲からないビジネスを続けていくのでしょうか?

経済環境や小売業を取り囲む環境がじわじわ変化しているのに、中にいる業界人は僅かの変化に慣れて、知らない間に大きな変化している事に気が付いていないのではないでしょうか?

 

流通小売業のTOPの方達もこの変化に敏感であると思いますが、如何に対応して良いのかが見えていない事と、自分で出来ない事を部下に任せる事により正解が見えなくなっている状況に見受けられます。部下が出来るならその人がTOPになるべきではないのでしょうか?

 

少なくとも新ビジネスモデルのビジョンと大まかな方向性を示唆しないで、新規事業が軌道に乗る事は不可能です。TOP自ら汗をかかないと、投資をするだけでは何も解決しません。

まずはビジョン構築と大まかな到達までの道程構築が必要なのです。

 

それが上記の1(ブレインワーク)なのです。ブレインワークでも自社・自分のみでなく、他力を借りる時代なのです。勿論自分の考えを含め、様々な角度での討議の上ですが、、

それを実践するのが、上記2(ネットワーク)と3(フットワーク)が必要なのです。

 

要は結果を出す為に実行力が必要です。しかし、走るのは上記ビジョン設定の後に一気にその間を直線で走るのです。拙速は禁物です。最近欧米で言われるテスト&ラーンよりも、やってみないとわからない事は走る必要があるのですが、やってみなくても失敗が判る事は最初からやらない事なのです。これを判断する事がブレインワークでもあるのです。要は目線軸が最低必要なのです。

 

新規事業が育たないのか?それは利益を生むビジネスモデルが構築出来ていない事に尽きるのです。売上を上げてから利益を生むとまず売上に目が行き過ぎていて、そこそこの売上になってから、利益を生もうとしても低収益体質からの脱却が出来ないのです。

その後、その事業が出来ないのは何が原因なのか?阻害要因(出来ない理由)を見つけて、改善していくほか道はないのです。

 

機械(車や洗濯機等)が故障すれば故障個所を見つけ、修理をするのは当然です。故障個所を見つけないで改善など不可能なのです。諦めて買い替える道もありますが、経費ロスを生む可能性も高いのです。システムやビジネスモデルも同様です。

 

阻害要因は各社各様に箇所が異なりますので、弊社は各社よりお困りごとをお聞きして、個別に改善策を対応させて預いているのです。総論では解決しませんので、

しかし、基本は重要ですので。下記の総論を定義させて預きます。その後は個別対応にて、、

 

その改善方法とは、

  • 百貨店やGMSの自社の将来像「あるべき姿」を見極めているなら、何が不足しているのか?

それはビジネスの新事業の開発力と、自社・自店の販売実力の把握と適正な仕入れなのです。

まずは、自社・自店の将来像の確立と不足部分(知恵)を外部で補う事を認めれば十分可能でしょう。既存データは沢山あるのに、全く活用できていません。

AIの新しい武器を手に入れる前に、やるべきことができていないのに、持っていれば安心との宝の持ち腐れではないでしょうか?

既存データを活用出来ていると考えているのなら、お客様にもっと寄り添っているでしょうから。、

看板のあるなしではなく、的確に外部を見極める事ができるか(TOPの目)が重要ですが、、要はTOP(代表権のある)を含め、ミドル(取締役~部長級)の人材育成(OJT)が出来ていないのです。

2.MD(商売)の基本は5RIGHTS&2VMDなのですから、

   A)5RIGHTSとは、

     適正な商品を

    適正な価格で

    適正な時期に

    適正な数量

    適正な場所に

並べる商売(MD)の基本であり、

B)2VMDとは、一つはヴィジュアル・マーチャンダイジング(水平)

お客様は横にしか見ていなく、売場の図面を上から見ているのではないのです。

よって、お客様目線に沿った売場構築の意味なのです。

(VP+MD=VMD)簡単に言うと見せて商売をする事なのです。

もう一つのVMDとはヴァーチカル・マーチャンダイジング(垂直)であり、昔のIYのチームMDもその一つであり、簡単に言うとモノ作りの立てラインの信頼関係の下に適正なマージンで物を作り、無用なリスクを価格に反映させない事による安定供給ライン構築なのです。

*5RIGHTS&2VMDのどちらも、全て自社・自店のお客様にとっての適正であるべきなのですが、

 

自社の立ち位置、実力、可能性のある領域の把握、強みと弱み、そして実践できる人材の有無がすべてを握っているか否かなのです。これを冷静な第三者目線で俯瞰してみると、自社のスタンスが見えて、ゴールとの差を直線で走るように手法を導き出す事に尽きるのです。

 

これを俯瞰できる経営者でないと、目標は上手く達成できません。「良い商品を作れば売れる」とか、「良い売場を確保すれば売れる」とか、様々な考えの経営者がいらっしゃるのですが、完全に間違っているのです、勿論、良い商品を企画、生産、展開する事は当然であり、良い売場を確保しての展開も重要ではありますが、経営とは大きく異なるのです。

 

極論を言えば、良い商品を作っても納期遅れで店頭に出なければ、、また良い売場を確保しても、商品がお客様の欲しいものでなければ意味はありません。この様な事は小売業やアパレルでは最低条件であり、「弊社は不良品は出しません」とか、「経費をブラックボックスにはしません」等のコメントを出す企業など論外なのです。

 

また、業績が悪化(売上や利益が減収減益)しているのに、今まで通りやりますでは、何も改善できません。今まで通りが悪いので減収減益になっているのですから、何が悪いのかを見つけ、そこに手を加えなければ良化は程遠いのです。まずはその原因を見つける目線が必要であり、見つけたら悪い原因を削除し、良化に向けた施策を打つ事なのです。

 

経営者とは、自社が利益拡大に向けて、どの様なビジョンを示し、目的である利益拡大という戦略を自社領域内で明確に立て、手法である戦術を自社でできうる可能な枠内で設計し、それでも届かなければ、その部分を外部の「知恵」を買ってでも成し遂げさせる事が必要不可決なのです。要は部下を使って結果を出させるスキーム作りと運営が業務なのです。

 

弊社のフィロソフィー

売場(リアルも画面も紙面も)以外にはヒントとマネーが落ちていないのですから、常に現場でお客様目線にて、ヒントを見つけるプロの技の知力(気付き)と、それを拾う体力(実行力)を身につける事が、小売業やサイトの現場責任者(事業本部長クラス)に必要です。

 

これが企業を維持向上させていく重要なファクターなのです。マーケットはブルーオーシャンなのですから、マーケティング力とマーチャンダイジング力、それをお客様にお伝えするプロモーション力、そしてマネージメント力のバランスの良い構築が必要です。

 

弊社の事業

弊社は小売業やアパレルを中心とした現場に精通した経営コンサルティングを実践しており、「当たり前の事を当たり前のように実践できる」サポートです。企業毎により課題と戦略や手法は異なるので、個別対応させて頂いております。

 

A)企業ビジョン(あるべき姿)をより明確にし、現在の立位置を冷静に(第三者目線)認識し、

B)真の貴社・貴店の顧客マーケティング(お客様目線)の実行・解析により、

C)的確なマーチャンダイジングをコンサルティング(プロの業)し、

D)事業を可能にできる人材育成を(OJT)実践し、

E)営業利益の安定的拡大」(結果)を目指しています。

 

企業の最終目標

最終はブランドエクイティを高める事により、売上と利益は後で付いてきます。

その過程で売上規模の拡大をしながら、高い営業利益率20%超を生みだす目標としましょう。

当面(5年程度)で、売上規模を拡大しながら、営業利益率10%超を通過点と設定しましょう。

 

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。

弊社へのご連絡は、HOME-PAGEのお問合わせより、お願いします。