生地 雅之

2020 20 Apr

コロナ下でのEC売上について

現状の緊急事態宣言の下、ECサイトは大きな成長の可能性を踏めている時期なのです。

EC単独の商品確保や倉庫を持っている企業は当然の事、メーカー直販のヨドバシやヤマダ、ファッション系のSPA等は大半(当然のごとく)倉庫在庫からの出荷がメインなので、容易く出荷(倉庫も一部は三蜜部分でもあるのですが)でき、売上を取りに行けるのですが、店頭在庫をリンクしての出荷体制を取っている企業はそう簡単ではありません。

 

百貨店はその対象であり、在庫責任がない消化ビジネスのため、EC用の商品確保はほとんど不可であり、店頭在庫からの転用出荷なのです。一部の企業・カテゴリーを除いてNGなのです。休業のため、いつ何が売れるかわからないECのために、ピッキングを兼務する販売員を店頭に出勤させられない事態だからなのです。

一部の百貨店に「何故ON-LINEまで止めているのか」との指摘はこのような事情が存在しているのです。しかし、単独サイト(他のカテゴリーの買い回り対応しないため)で倉庫が別対応のサイトは開けている事を見ても、考えれば理解出来る事なのです。

 

コロナが露呈したEC事業のビジネスモデルの不備なのです。

誰しもこのコロナを予測したものではないのですが、本来のECビジネスのあり方(VISION)を明確に持っていたら、このような事態は避けられたとは思われるのです。

要は、現在の百貨店のEC事業戦略はリアル売上の減少補填程度にしか見えず、真剣にEC化率30%はともかく、10%を意識していた(具体的な策を取ろうとしていた)企業がどこに存在するのでしょう。

 

企業TOPはそうありたいと思って(口に出している企業も)いても、どうすればが見えないのです。WALMARTがJETと提携し、2年余りで自社米国内売上のEC化率10%超(米国EC全体の売上の4%にまで成長)を達成したことなどは素晴らしいのです。それもAMAZONとは異なり、自社の強みの食品(食品は店頭ピッキング)を軸にしてです。いつも提言していますように、TOP自ら研鑽し、自社では不可能であっても外部の力を借りるために、どこと提携すればいつできるのかが研鑽され、明確なのです。JETもすごいのですが、それを選んだWALMARTのTOPも流石なのです。

VISIONについては、過去の繊研新聞への寄稿の記事19年6月4日付繊研教室「EC事業の踊り場からの脱却」及び17年1月16日付企画欄の寄稿・オピニオン「百貨店EC事業の再構築への課題」と、現状からの道程については、アパログの20年4月6日付「ECサイトの売上・利益の拡大はUI・UX改善に尽きる」をご一読下さい。

 

https://blog.apparel-web.com/theme/consultant/author/ochi/a73d687b-6e35-43d2-a027-c13e9613001f

 

 

現在の企業で売上不振の原因をどう見るか?他者(天候や気温、震災等)要因にするか?自者要因とし、自分で出来る事を見つけ精度を高めるようにするかで、全く異なるのです。

上記以外にも多々あるとは思いますが、「あるある」と同調されても、その後自社は自分はと振り返ってみてください。果たして、、、

 

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

 

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。

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