生地 雅之

2021 20 Dec

頑張れ!GMS-3

最近、GMS(イオンリテール)の店頭を見ていると、店舗構築や商品開発、MDに迷いが見えています。
ビジネスへのマネタイズに以前から不備が多く見えていたのですが、さらに綻びが目立ってきています。
例えば、スラックスの補正に裾上げのみなら、350円という破格値での対応(新浦安店)なのです、基本はその店で買ったもののみなのですが、通常のリペアショップなら1000円以上はするのです。

勿論、自社が負担している部分もあるのでしょうが、1000円まで下げた価格の商品の裾上げまで350円なら、お客様の満足度は半端ないのです。
但し、その店で購入したのものみですかと聞くと、他社の商品の加工は受けていない事と、近隣のイオンの店の分までなら対応しているとの回答なのです。

お客様は裾上げ代としては500円程度までは自社商品なら十分出して頂けるのでしょうから、また他社の商品を700円程度で受けても採算が合うなら、ビジネスとして商売すべきなのです。
外注に頼んだら恐らくリペアショップ並みになるのでしょうから、JEANS-SHOPでの裾上げ程度は社員対応同様にすべき業務(自社社員がミシンを)なのでしょう。

要はセールで1000円程度の価格の商品に補正代を1000円程度は出したくない心理なのです。

1日の仕事が少なく、暇ならどんどん受注して加工屋(専任配置)としても成り立つと推測されます。テナントの家賃と比べてどちらが儲かるのか?これにより、ウェスト1サイズに対し、丈を3パターン準備する事による在庫過多からの脱却ができ、裾をFREEとしてのすべて補正(過去は通常)で対応出来る事でしょう。
今の裾上げ済み股下サイズの設定が妥当か?そのまま穿いている人が何%いるのかの検証も。

イオンの他の地域(県違い=茨城県)でのお店で、サンプルでスラックスを4本購入し、試しにその店で裾上げを依頼し、遠いから配送を依頼したら、1本の補正(裾上げ)に350円とすべて1箱での配送料が500円で購入日(土曜の夕方)から3日後の火曜日朝一の荷物の到着になったのです。要は1本475円+消費税で購入できたのです。配送運賃を含め、このくらいメリットがあるサービスは独自の強味になるので、もっとアピールして宣伝すべき内容とも思われますが、何故そうしないのでしょう。

自社負担が大きく赤字であるのなら、その赤字をどうやって消せるのかを考え、強味を磨き利益に寄与できるようなマネタイズを考案すべきですが、出来ないとでも考えているのでしょうか?どの成功されたビジネスも、最初は誰も出来ないと思っているのです。
出来ると考えて手を出して、TRY&ERRORしていかないとシュリンクするのみです。この事は「先義後利」の「先義」なのですから、これからは「後利」を意識すべきではないでしょうか?

またイオンのコインロッカーは過去無料であったのですが、最近は100円を取るようになっています。過去にはイオンモール船橋では駅から入った入口に無料ロッカーがあり、荷物を持って最後に寄る店とすれば、荷物を持って館を歩き回るのは重く大変なので、勿論イオンでの買い物もあるので活用していました。また、イオン橋本でも同様です。駅前にはJRのコインロッカーが400円であり、イオンとしても無料にする必要はなく、漸く100円を取るようなっていました。

最近はイオンではなくても、JR船橋駅や、東西線の一部の駅にも鉄道ではないと思われる200円ロッカーがあり、400円のロッカーよりも価格メリットが出ているのです。100円ロッカーでも200円に上げても知らしめられたら、利用されるお客様は多いと推測されますので、自店購入者のみの使用を限定にしなくとも、ビジネスに活用すべきではないでしょうか?確かに来店されればそれなりの購入も見込めるのですから。

先日都営線新宿三丁目駅改札近くに小さい100円ロッカーを見つけましたが、良く見ると1時間のみでした。新宿ですから当然ですが、このように1日入れるなら400円でもともかく、1時間や2時間程度の利用客なら時間制でも、駐車場のように十分ビジネスになるでしょう。駐車場は空いているよりも、1時間でも埋まっている方がとの選択なのです。

その他、イオンの一部の店(南行徳)のコピー機では白黒A3は10円でも、それ以下は5円というコンビニの下をくぐっているのです。聞くところによるとこの5円という価格は周りが10円だからその半額にとしたとお聞きしましたが、それなら逆にデータプリント(USBから等)はコンビニの倍の料金となっており、使用する側にとってはコピーはメリットであっても、コピー機全体の活用には価格設定の不備があります。

一般的なビジネスマン等はコンビニに行く回数の方が多いと思われるので、コンビニ以上のメリットが出せるならそれを喧伝すべきではないでしょうか?(イオン妙典はコンビニと同価格でしたが)このような値付けをしているとは信じられません、元巨人の長嶋監督の「勘ピュータ」よりも酷いのです。真実であればGMSが再興できないのも無理はありません。同様に自社駐車場をタイムスにリースしていたりすることは出来ている部分もあるのに、他の事象は、自社資産の活用の下手さが浮き彫りになっているのです。

また、最近リニューアルオープンしたイオン南行徳(ソコラ)でも、今迄の使用済みカート置き場は地下の食品売場のみではなく、エレベータで1Fに上がり、そこの出口にも返せたのですが。改装してからはB1F(食品)に固定していて、お客様は不便に陥っているのです。(上記コピー機はイオン南行徳店=ソコラの食品売場の中に)
お客様は現在(リニューアルオープン1か月弱)口に出してはいませんが、顔に出ています。


食品メインのスーパーのお客様は、近隣のディリー(最低週2~3回は来店されている)ので、重い物を少しでも出口や駐車場に近いとところまで、出来るだけカートで持たないで帰ろうとの意識が高いのが当然なのです。お客様の気持ちに寄り添っているのなら判る筈なのです。

ここは過去イオンリテールが管理していたのが、デベロッパーに一任し、そのデベロッパーは食品をイオンリテールに、その他もテナントリーシング化した模様です。核店舗がイオンリテール(食品スーパー)であり、今迄の近隣のお客様はまだイオンが運営していると思っているので、対応が悪くなっていると思われても仕方がないのでしょう。

お客様もその事を認識すれば、「仕方がない」との部分も芽生え、イメージ悪化も少なくなるでしょう。勿体ない対応なのです。小職のように、様々な店に出向いて価格や対応に不備がある比較ができる事は不要なのですが、継続利用されている地元のリピータこそ一番大切なお客様なので、その方たちの不満を解消すべきなのです。

先日イオンリテールの「そよら」と「ソコラ」の店名についての記載もしましたが、当時イオンから聞いた情報では、店長の意見が強いのが店名まで変えさせていたと聞いていたのです。実は上記の経緯で2種類あるようです。そして最近数店舗できだしたソコラの1店舗であるソコラ日吉に出向いたのですが、GMS特有の食品平場もなく、すべてテナントになっていてイオン系の店はビオセボン程度でした。

イオンリテールの食品スーパーが核店舗では無い館も存在しているのです。逆に吉川美南のイオンタウンは開店当初は食品スーパーがなく、衣料品と住居関連商品のみで、あり得ない展開だった(当時のTOPの意向で)のですが、食品スーパーを入れたのです。実験しているように見えるのですが、やる前に上手く行かない結果が見える事には手を出す必要もないのですが、見えていないのでしょう。

要は、ターゲティングの不備が、結果マーケティングの不備、マーチャンダイジングの不備に繋がり、利益が確実に出ないスパイラルに陥っているのです。ビジネスは必要とするお客様に必要として頂きたい商材を適切にお伝えする事が不可欠なのです。ここに課題が存在している事に気が付けば、解決にはそう大きな問題ではないのです。
現実のGMSにとってはとても遠い世界なのですが、百貨店よりも必需品ウエイトは高いので、読みやすい筈なのですから、やろうと思えば可能なのです。ご相談いただければ、

このブログは過去の「頑張れ!GMS」「頑張れ!GMS2」に続く第3弾であり、明日から「GMS再興」を6日連続で掲載します。ご一読下さい。このGMS再興(1~6)は小売業全般にも通じる内容ですので、百貨店の方も是非ご一読下さい。逆に先日の百貨店再興(1~6)や「頑張れ!百貨店」「頑張れ!百貨店2」「頑張れ!百貨店3」もGMSを含めた小売業全体の方にも同様ですので、是非ご一読頂ければ幸甚です。

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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