生地 雅之

2020 14 Sep

現場の知らない経営者が現場の知らないコンサルに翻弄される訳

最近特に、表題の件を耳にします、

現場の知らない経営者は、自分の足元の既存のビジネスモデルによる利益に安住し、新しい方向性を出すとして、文献等や新聞で記述された一般事例を鵜呑みにし、自社の新規事業への参入する実力把握もままならない内に、手を出してしまっているのです。

 

某アパレルは過去に20数%という営業利益率を誇るエクセレントカンパニーであったので、親会社に常に50~60億円を上納できていたのですが、親会社の天下り社長から始めてプロパーの社長が生まれましたが、現場のたたき上げの方で経営手腕もなく、6年間で赤字に転落させてしまったのです。

 

アパレル運営を知らない親会社(商社)はなんとか黒字に戻そうと、米国の大手コンサル会社と契約し、年間5億円もの費用を4年間も支払ったのですが、コンサル会社は年1~2回の厚いレポートを提出し、内容は当時の業界紙に記載されているような一般的なコメント

1)SC向けブランド開発によるSC小売事業

2)海外事業

3)ECオンライン事業

の3つだったのです。

 

勿論当時のその企業は既に体力がなく、3つを一度には手掛けられなく、経費の少ないEC事業の拡大程度が一番先に手を付けられる事業と思われたのですが、親会社のプレッシャーもあり、当時の経営者は無謀にも3つともに手を出し、赤字をもっと悪化させたのでした。

 

親会社の某大手コンサルと契約した役員は自ら退任もせず、首にもならず、降格程度で東南アジアの現地法人の総経理に飛ばされた程度で済んだのです。甘い親会社としか言いようがありません。何が問題なのかというと、経営者が現場を知らず、有名な企業と手を組み、自社の能力・体力の実力を知らずに、地獄に埋没しているのです。

 

同様の会社は現在でも、大手では多々見受けられるのです。大手でなければそれだけの経費も払えないので、やりたくてもできない事情が存在しているのです。その方がましか?出せる方が良いのか?

 

現在の企業で売上不振の原因をどう見るか?他者(天候や気温、震災等)要因にするか?自者要因とし、自分で出来る事を見つけ精度を高めるようにするかで、全く異なるのです。

上記企業以外にも多々あるとは思いますが、「あるある」と同調されても、その後自社は自分はと振り返ってみてください。果たして、、、

 

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

 

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。

弊社へのご連絡は、HOME-PAGEのお問合わせより、お願いします。