生地 雅之
「ワークマンシューズ」
ワークマンが大阪のなんばCITYについで、東日本発のワークマンシューズを池袋サンシャインシティアルパに6月にOPENさせました。
機能性(本格的なプロ仕様機能ではなく、一般靴よりも少し上)のある一般靴をメインに、この店として初年度1.5億円程度の予算で、購買ターゲットがバッティングすると想定したワークマン∔女子との複合店でのSTARTなのです。
靴の市場は、ブランド力+履き心地の完成度の高さがリーダーシップを取っており、見かけのデザインのみではそう安定しないのですが、ワークマンは自社開発力頼みでPBメインの戦略なのです。
また、ビジネスとしては靴は5㎜ピッチのサイズ展開が基本で、在庫過多になりやすいマーケットなのです。特に紳士靴はサイズの小刻み展開は必須なのですが、婦人靴はSML展開も多いのです。
これは靴に限らず、スラックスもメンズは3㎝ピッチやジーンズはインチ(約2.5cm)ピッチであり、婦人スラックスやスカートは、シャーリングも多くSML展開も通常なのです。その代わり紳士靴に比べ、単価の低い物も多く、ファッション性も重要で、買い替えを重視しているのです。結果履き心地と色・デザインを併用しながら、価格&在庫コントロールを上手く展開する事が裏で支えるマーケットなのです。
ワークマンシューズはこれを兼ね揃え、価格を抑え、サイズ展開も抑えた在庫コントロールをされようとしているのは明白ですが、洋服に特別興味の無い(ワークマン∔女子等)カジュアルウェアを購入される人にはそれなりにヒットするものと思われます。ワークマン∔女子の店に入られる人は一般的な消費者であり、ユニクロよりも機能性や価格優先のお客様に見えます。洋服はそれ以外に着る事への気持ちの高揚感も必要な人がいて、その方には?
勿論、ビジネスとしては間違ってはいないのです。少しの機能性と低価格は一般消費者にとっても魅力的な展開なのです。あとはブランディングが出来る方向に向いているのか?ユニクロは安価(少し値上げ方向ですが)だけで評価されてはいなく、品質の安定性での低価格層へのブランディングができているのです。ブランディング完成度は無印よりは落ちますが、
ワークマンもマスコミがユニクロの店舗数よりも増えたとの取り上げですが、1店舗の売上はユニクロには遠く及ばない実態なのです。この程度のマスコミの誘導にて振り回されると企業の安定性などは望むべきもないのです。ワークマン∔女子との複合展開は間違っていないのですが、ワークマン∔女子で実績のある靴までこちらに移行させて金額を高めれば、ワークマン∔女子の実績を守れるのでしょうか?
過去にワークマン∔(+女子にも)で展開されていましたハイカットスニーカーを2足程度購入したのですが、一度履いたのですが、2度目3度目の出番がないのです。小職のような拘りのある消費者はこのターゲットにはイレギュラーなので平均的ではないのですが、靴やファッションを身に着ける事による高揚感が残念ながら感じられないのです。これでブランディングがまともにできるのか甚だ疑問なのです。
確かにHOME-PAGEに記載のビジネスモデルは美味しいマーケットに見える表現なのですが、履き心地、見た目、ブランド性を複合して見ると、成長マーケットになりえるのでしょうか?衣料品は食品や住居関連商材と同様に満足感を消費者に投げ続けて行かなければならないのは当然ですが、買ったり、着たりする事の気分(数値化しにくいのですが可能です)のウエイトも重要なのではないでしょうか?このワークマンシューズは考えさせられるのです。
現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。
是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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