生地 雅之

2023 18 Dec

今月の店頭リサーチ・中

12月初旬に下記店舗をリサーチしてきました。

1,イズミヤ神戸玉津店

最近リニューアルした店舗です。JR明石駅からバスで5分程度の環境センター前にあり、土日祝は9:00~開店のため、9:00に着くように出向いたのですが、バスがなくTAXIで向かったのです。モール程の大きさでありながら、中身は食品スーパーを大きくし、少しの衣料品と住居関連商品があり、他は安い専門店は並んでいる程度なのです。営業時間の変更は路線バスとの連携までは調整できなかったようですが、

 

阪急阪神百貨店の親会社のH2Oリテーリングの傘下にあり、最近関西スーパーを神奈川のOKAYと取り合ったのです。要は阪急オアシスとイズミヤとその関西スーパーを合併させ、総合力で食品スーパー事業を確立させようとの方向です。数年前には衣料品事業と住居関連事業をスピンアウトし、別会社での運営を発表していたのですが、衣料品事業・住居関連事業の別会社移行はHOME-PAGEでの発表もせずに、辞めたようです。

 

モール的な大きさを持ち、食品スーパーに特化した売場であり、もったいないのです。駐車場も33台程度しかなく、車社会の立地でありながらの構成なのです。近隣の居住者のみしかターゲットにしていないように映ります。もっと広域からの集客を狙う店作りをしないのでしょうか?小売業なら自ら客を作り、取りに行く姿勢も必要ではないでしょうか?百貨店の幹部にはビジネスに貪欲な方もいらっしゃるのですが、人材育成とは満遍なく教える事では不可能で、TOP自らの目線で、引き上げる人を見つけ英才教育をするべきです。

 

2.西神中央エキソアレ

  上記掲店近くの国道からバスが西神中央駅まで30分程度で走っています。要は駅まで戻らずに行けるこのバスは裏道の郊外エリアを繋いでいるのです。全く便利なのです。

  昔西神中央駅近くに昔からあるプレンティという施設と駅にあるこのエキソアレは全く立地で、この館の方が利便性も高いのです。中身は半分地方郊外百貨店レベルで、それ以外は場所貸しのモール的なのです。昔は西神そごうがあったのですが、そごう・西武が神戸と高槻を買った時にはこの店は買わなかったのです。阪急阪神百貨店においては この店は買う必要がなく、このエリアは郊外の住宅地であり、このエリアに帰る人はすべて神戸三宮で神戸地下鉄に乗り替えないとこのエリアには帰れないのです。個々の居住者の生活レベルは少し高く、郊外的な百貨店を望んでるのです。このMDは割とマッチしているのですが、

 

3.西神プレンティ

最近リニューアルした掲店は、駅からペデストリアンデッキで繋がってはいるものの、立地では上記エキソアレには程遠いのです。駅に近い2(別館)にはまともな物販もなく2Fが、1(本館)の1Fと繋がっているのです。1が佐治にできていたのでしょうが、隣のイオンスタイルとも繋がっており、本館は整合性もあるのですが、別館は駅と連結で後で繋いだようなので、整合性がないのです。

 

 

4.神戸阪急(元そごう三宮)

  最近新館もグランドオープンしたものの、鳴かず飛ばずの状況です。本館から連絡通路で地下1Fと地上9Fの10層の内、5フロアが繋がってはいるものの、地下の食品以外は真面に人が歩いていないのです。やはり小職が提言しているように、新館(別館)は小さくてもターゲットを本館と変えての別MD(フルカテゴリーでの狭ければ1テイストまで絞っての)にすべきでしょう。渋谷西武のA館B館や新宿伊勢丹のメンズ館、三越日本橋の新館等も。

 

  話を戻して、掲店の地下は食品売場(1フロアに見える本館の延長であり、ここから新館とはわかりにくいのでOKか?)1~3Fは阪急MODEのブランドの集積であり、4FはLOFT、5~6FはMUJIなのです。MDが可笑しくなったMUJI(小職のブログ参照)がともかく、7+8Fは寝具等の百貨店MDなのです。中間に場所貸しを入れた新館は何を意図しているのでしょうか?全く不明です。

 

よって、神戸阪急(元そごう)のみを抑えておけば、乗り換えを要す西神エリアの居住者が百貨店に行くなら、阪急神戸店しかないのです。その客を見越して神戸三宮阪急がその分までの売上を取れているかは甚だ疑問です。

また、西神エリアに百貨店顧客がいる事が買う前に事前に把握できれば、それを確保する対応(館を作るとか)を対応できた筈ですが、事前に把握はできなかったのでしょう。これからのマーケット予測が現状のみではなく、こうなればとの予測が重要であり、現在のマーケットの既存客の取り込みのみでなく、こうなるだろうとの仮説も重要になってくるし、上記のように、マーケットを創造することも必要不可欠になってくるのです。

 

要は現在できないことをあげつらっている訳ではなく、できていないなら気が付いた段階で、即対応することを望むものです。即できないとマーケットからも取り残されるので即対応願いたいものです。経済環境は自社のみの理由で、止まってはくれないので、自力が無理なら外部の力も借りてでも埋めるべきなのです。

 

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。弊社へのご連絡は、HOME-PAGEのお問合わせより、お願いします。