生地 雅之

2022 20 Jun

メタバースとライブコマース

話題のメタバースも、話題の域をでていません(物販=小売ビジネスとしてはまだまだ)が、同じく「ライブコマース」ブームも気を付けないと危なっかしいものです。
国土の広い中国や米国では小売店が近くになく、NET販売に依存せざるを得ないので、ライバーという職業が評価されていますが、日本もマネしてライブコマースに飛びついています。果たして成果は?

例えば、大手百貨店では1回のライブコマースで最高売上額が5000万円程度であり、平均は半分以下の状況で、5000万円の売上の「ライブ」での売上は4%程度であり、「アーカイブ(録画)」による売上が96%という事実(結果)をみると また、ライブコマースの「ライブ」に入るウエイティング人数が1000人程度いらっしゃっても、実際入るのは250人程度という実態はどう捉えればよいのか?(投資経費との見合いは=経費は通常2%以内で賄えているのか?)

このような結果検証は殆ど行われていなく、また現場は把握できていても導入や中止の決定の判断や提案のできるミドル(代表権のない取締役~部長以上)では認識できていない事が多いのには驚くのです。今後の日本におけるライブコマースの在り方は?事実(儲かるか否かの結果)を知ってからでも見直しをすべきで、データを取得して検証をしない状況を憂うものなのです。今後拡大するのか衰退するのかは別にして。

小売業におけるデータの検証などは「夢のまた夢」レベルなのです。各社・各担当は出来ていると宣わっていらっしゃるのですが、まともな検証(儲かっているのか否か?=どう改善すれば儲かるのか?)の視点が不足していると言っても過言ではないでしょう。「自社にとって、価値があるか否か?」が全てなのです。

マーケティング担当、経営企画部長などの肩書が付いた途端にプロになったつもりの方が如何に多い事か?このようなレベルのデータ解析を信じて、トップやミドルが「経営している」と勘違いしているのが実態なら、安定した黒字化などはあり得ないのです。データを解析して業務の改善をしていくのにはプロの目線が必須なのです。

データを集める事が仕事ではなく、儲けるために必要なデータとは?現在集めているデータの解析だけでも財産(宝の山)と言えるでしょうから、そこの有効活用もままならないレベルなのに、まだ集めようとしている悲惨さに気が付いて頂きたいものです。データを解析するには、ビジネスのプロが必要なのです。

特に小売業のTOPはEC売上のGOALや途中経過目標の数字は出すのですが、その方法論までは現場に委ねているケースが多いのです。その数字でさえ根拠もなく、どうやって作りあげる方法論は現場に委ねるのなら、妥当かどうかの判断はTOPジャッジすべきで、責任も取らないと現場は動かないのです。

それも持たないで。数字目標の指示を現場に落としているのです。そのような指示で現場が出来る筈もないのです。数字を指示して結果がその通り出るのなら経営はとても楽な業務なのです。必要なのは自社の実力を冷静に認識をして把握していないといけなく、実態は空回りしている事に気が付いて頂きたいものです。

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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