生地 雅之
人事異動
最近人事異動の時期になってきています。
2月決算の企業は既にある程度、3月決算の企業はそろそろです。
特に代表取締役の交代も少なからずです。
このブログに記載のアパレルは、今年は少なく、昨年以前に交代したので、コロナ下で厳しい経営状態の中、計画を粛々と実行しつつあるのです。
計画通りの企業は少なく、各社コロナの収束時期や影響度の読みがブレ、大きく計画未達成になり、鋭意努力されているのです。
再度の事業縮小、人員整理にも手を付けざるを得なくなっている企業も少なからず存在します。
百貨店は、先日日本橋に本店を置く企業の営業本部長が子会社に異動され。同期の後任が大阪から昇格されて来られます。
前任は自ら「CEOに嫌われている」と公言されていらっしゃったとお聞きしました。嫌われているなら、好かれるように努力されれば良いのですが、何故やらなかったのか不思議です。
好かれるようになることはそう簡単ではないのですが、企業ですので忖度ではなく、結果を出す事なのです。
コロナ下において難しいと思えるのですが、評価とは他の誰よりも、他社よりも、ましな成績を上げる努力をされているか否かなのですから。
また、新宿に本社を置く企業は先週に経営企画畑出身で4年間務めた代表取締役を辞任されました。
後任には子会社の地方企業でTOPを務めた現場にも理論にも精通されている方なのです。
常にお客様を向いている方ですので、これで小売業の本筋に戻ると思われます。
前社長もDXに拘り続け、開花するまでには至っていないのですが、納得しないと変更しない姿勢は高く評価していたのです。
下記のビジネスの基本を前提にされていたとは思うのですが、結果が出ていないのです。
ビジネス・経営は結果がすべてです。
その後道程を修正し、自分のヴィジョンに出来る限り忠実な歩き方にしていくべきなのです。
勿論、お客様に向いているだけでは経営はできません。
後任の方は前任否定から入るのが一般的ですが、降りられる社長も新社長就任時には前任が退任される前ですので、そうコメントされていましたが、前任が不在となる就任後は本音が出てくるのです。当然そうならないと、
次期と目された人はまだ若いので時間があり、上手く回っているのは経営畑のTOPの方の次は現場に強い方と、交互になっている事も多いのです。お互いに不足部分を補完する意味合いなのでしょうか?
「前任は逃げた」と言われる人もいらっしゃいますが、特益がでた今こそ、タイミングは適していると思われるのです。来季は今年以上の益が出ないと見越して。
しかし、現場でチャレンジする人の方が怪我(予算や実績割れ)もするので、多くの企業は経営畑の人が継続している事も多いケースも散見されます。その場合は結果停滞されている事も多いのです。
チャレンジしない企業の行く末は?この二人三脚で安定した企業、つまり日本橋や木場に本社のある企業(コロナまでは安定していましたが)もそうなのです。
1月25日26日の繊研新聞の1面に伊藤忠商事の岡藤(CEO)氏のコメントが掲載されていました。
要約すると、
1.常に前向き=自業界・自社には宝が沢山ある
2.学習能力=過去の失敗を繰り返さない
3.計画は慎重に=順調でも油断しない、実行は大胆に
4.良い企業の条件は継続できる事=企業は潰れない限り、チャンスはある。
5.知恵を絞り続け、頑張る事=粛々と出来る事を実行する
6.良いものを磨き、悪い物を止血する=儲かっているビジネスに幅を広げ、儲かっていないビジネスの縮小の徹底
7.不振の理由を並べるのは簡単だが、その人は成長しない=常に先読み(予測))して対策を打つ
8.簡単な事を粛々とこなす=当たり前のことを当たり前のように実施する(業界の常識は非常識)
9.お客様との接点を重視し、小売業強化に乗り出している。
10.セブンに差を付けられているファミリーマートの社長に、マーケティングに長けて突破力のある細見氏を配した
この様な内容ですが、
小職の指針と全く同じなのですが、小職が加筆すると
A)全て数値(結果)で人も事業も評価する=数字は嘘をつかない
VISIONを設定し、それに向かって行動する事が必須ですが、
B)「VISIONが正しいか否か」と「実行できるか否か」
まず方向性が間違っていれば走るだけ無駄であり、いくら素晴らしいVISIONでも、実行できなければ結果が出ないのです。
C)お客様の行動を見抜く事が大事。(顕在需要のみでなく、潜在需要までも)
商品がいくら良くてもお客様に購入いただけないのなら、売上も利益も生みません。値段を下げて、他社のパイを奪う事のみでは限界があります。
よって、ビジネスは良い商品(価格以上の価値がある)の開発と、必要とされるお客様の発見(顕在需要対応)のみでなく、必要とのニーズを認識していないお客様に必要と思って頂ける施策(潜在需要喚起)が重要で、それ(商品とお客様)を繋ぐ適したプロモーションまで(3点セット)もの一気通貫が必須なのです。
追)ファミマの新社長の細見氏は、岡藤氏の子飼いでカミソリ位の切れ者(クールでドラスティック)です。
岡藤氏より、セブンに負けている日販の拡大を指示されています。
利益よりも売上拡大し、シェアを取ってからの利益良化施策なのです。いままでの岡藤氏の手法とは真逆なのです。
改善・改革の手法まで固定されれば、余程でないと成功しないのです。道程は一任されていないので難しいのです。
まして、細見氏は社長になるので、当然コミットしなければなりません。
そこが日本のコンサルと異なるのです。日本のコンサルはアドバイザリーなので、提案・助言なのです。
いつでもコミットしたいのですが、ご紹介したWEBサービスで、弊社がコミットすることもあるのですが、欧米のコンサルはコミットする事も多いのです。
社長と同一権限で命令できる位置なのです。そこが大きく異なるのです。
これ(道程まで固定されて)でファミマの改革・改善が出来れば素晴らしいものです。
しかし、細見氏と過去にビジネスをしたことのある小職からみると力は十分のお持ちなので、期待しています。
まして、相手は昔は巨大で最先端を歩いていた企業ですが、今や停滞しており、抜くチャンスではあるのですが、果たして、
難しい時代に突入している現在、二人三脚ではなく三人四脚が必要な時代ではないでしょうか?
経営に精通している番頭と現場に精通している番頭を従え、経営ビジョンを明確にして自社を引っ張る事が重要な時代に来ているのではと思われます。
現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。
是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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