生地 雅之

2025 25 Aug

兵庫・大阪エリア


最近掲エリアに行ってきました。
1、    マリンピア神戸
三井アウトレットの1店であり、三井はエリア毎の地元に根付いた屋号を継承しています。
ジャズドリーム長島のように正解であり、小売業は既存に店は屋号を統一するとお客様離れが激しく、売上は維持できないのです。また三井不動産は実験を多くやり、大阪門真などは3層であり、1+3層はSCなのに、2Fのみアウトレットという変則もトライしているのです。逆にイオンモールのアウトレットはまだ数件(広島・越谷・平塚等)であり、三井と対抗する三菱サイモンプレミアムアウトレットはオーソドックスであり変則も少なく、すべて一からの店も多く、統一されているのです。

SCは面積も広く、売上は200~300億円程度であり、主要百貨店には売上も坪売上も勝てませんが、アウトレットの一番の売上館は御殿場であり、それでも1500億円に満たないのです。FBの顧客は百貨店層の一角下であり、百貨店では購入されない、デザイン性は今風でも品質等はまだまだの層(シングルの可処分所得のある女性が中心)です。彼女たちが結婚して家族を持ち、可処分所得が少なくなれば、1BOXカーで郊外のSC(駐車場が安くて1日遊べる)に向かうのです。

百貨店層が収入が下がり、ファッション等を購入できなくなると彼らは生活の質を落としたくないので、年間の購買着数を抑えるか、価格を抑えるために百貨店ブランドが多いアウトレットに来られるのです。百貨店の売上が取られているのはアウトレットなのです。
掲店もラグジュアリーブランドが多く、朝一では閑散としています。館の構成は横浜に三井が継承した横浜ベイパークアウトレットに近いのです。
  

朝一に訪れたのですが、10時開店も早く、小売業全体としても11時でも良いのでしょう。
11時頃にぞろぞろと多くの人が来られているのです。
朝早いので、ゆっくり見ていたら神戸市の方がリサーチに来られていて、アンケートインタビューを受けました。別棟にアネックスと称してボーネルンドがしゅってんしていましたが、やはり10時は早いようでガラガラでした。
2Fにはロゴスパークシーサイド高知須崎と銘打っての高知須崎市とのコラボ店の出店しており、明石海峡大橋があるとはいえ、香川や徳島からならともかく、高知市からここまでの来客がどのくらいあるのでしょうか?木更津のアウトレット(ホタルで繋がっており、通行料金も安い)とは大きく違うのでは?

また、垂水駅からバスもあるようですが、本数も少なく徒歩10分弱なので不要では。小職も歩いたのですが、掲店の間際に車のみのオーバーブリッジがあり、くぐっても行けそうなのですが、トンネルの表記にアウトレットは11時から18時までと神戸市経済局として記載されているのです。これではアウトレットそのものが11時から6時までの営業と取られかねないのです。人がトンネルをくぐっていけるのがという意味と思うのですが、不親切なのです。

2.川西阪急スクエア
JR川西池田からペデストリアンデッキで4分程度、阪急電車の川西能勢口からペデストリアンデッキで1分程度の便意な立地なのですが、所詮郊外百貨店なのです。 作りは都築阪急に似ている(掲店の方が早いらしい)のですが、   
5月16日にリニューアルオープンし、川西阪急百貨店から川西阪急スクエアに屋号も変更したのです。高島屋のように場貸しのファッションビルに模様替えです。高島屋も二子玉川SCにように数Ⅰ0年前には時代に合っていたのでしょうが、最近は立川・日本橋・京都等も名前まで変更しての展開です。当時は時代に合わせたつもりなのでしょうが、百貨店の名前を使って、場貸しに変更しているようなのです。

精々FBは200億円程度の売上であり、新宿のルミネでさえエストを除く1+2で500育円強であり、名古屋のTGMでも300育円程度なのです。固定家賃収入は確保できるのですが、百貨店の屋号はブランド棄損するのみなのです。高島屋の真似か阪急阪神百貨店までスクエアに変更しだしているのです。スクエアはそごう・西武から関西の数店を買った時から高槻西武を高槻阪急スクエアに変更しており2件目なのです。川西阪急の従業員数は22名程度であり、大丸松坂屋の運営する銀座のG6はフロアに営業1名程度が張りついているようで、これから見るとまだ多いのでしょう。運営ノウハウの差でしょう。

これからの百貨店は地方郊外店の運営が難しく、どんどん運営方法を変えていかざるを得ないので、高島屋も阪急も変更していくのでしょう。阪急はモザイクモールという名称で展開していた(ハーバーランドにあった阪急や都築にある阪急もそう名付けていた)のですが、名称をこの様にコロコロ変えるのは問題です。
屋号はそう簡単に変更することはそれまで培ってきた屋号ブランドを否定することであり、新名称をお客様に根付かせるには相当な時間を要するものです。

数年前に高島屋と阪急が経営統合に向けてのMTGを月一(東京・大阪で交互に)開催していたのが経営統合廃止になり、商品MTG以外は株式の持ち合いも辞め、中断したと発表されたのですが、まだ継続しているようです。
 三越伊勢丹やそごう・西武、大丸松坂屋のように統合する場合はどちらかの企業が「ほぼ死に体」であり、一方が片方を呑み込むようになっているからスムーズに事がやすいのですが、高島屋と阪急は規模は高島屋が倍くらいあるのですが、MD力は阪急の方が数段レベルが高いので、イニシアティブを取りあっていたようで難しかったのでしょう。当時の両社のTOPのPRIDEか?
  

話を戻して、掲店は今回営業時間を通常に(10時開店8時閉店のように)戻し、異なるのは有楽町(開店時間が遅い)くらいでしょう。一時国内単店売上日本一の新宿伊勢丹(4200億円強)が10時30分開店であったものが10時に戻しているのを見ても、小売業では統一イメージがついているのでしょうが、本来なら自店顧客に合わせるべきでしょう。
掲店は食品をメインにし、ファッションウエイトを抑えたつもりでしょうが、まだ多いのです。
一般的な百貨店では食品が1/3であり、ファッションが1/3でその他のリビング等が1/3なのです。上記伊勢丹新宿店は特殊で、ファッションが70%ありますが、これになるには、
京都高島屋SCは最近増床したSC部分のみならOKなのですが、本館と混ぜるとまだファッションが多いのです。これからのウェイトを考えるとまだまだ修正の余地が多いが実情でしょう。ファッションは益率や益額が高く、百貨店としては忘れられないのでしょう。
また、阪急阪神百貨店は「まち健」と称したプロジェクトチームがあり、イベントを催していますが縦割組織の弊害か、川西阪急では屋上のサニーガーデンで、アステ(川西阪急横のFB)は1Fのイベント広場で開催。屋上はがらがらでありアステは立地の差か、賑わっていました。

兼務はともかくも連携も取れないのでしょうか?6月3日付けのヤフーニュースに兼務の弊害(責任が不明確)等の記事が掲載されていましたが、小職も兼務は反対論者ですが、
屋上のサニーガーデンは屋根が付けられない等でビジネスが難しく、BBQやビアガーデン等しか使っていなく、過去は動物園や最近ではラジオ・スタジオ等でごまかした対応しかしていないのです。掲店も子供たちが一組程度遊んでいて、付き添いの親数人と、OLが休憩を取っている程度でした。環境の素晴らしいのは新宿丸井本館の上のイングリッシュガーデンですが、どこもビジネスにはできていないのです。掲店も屋上に上がるにはEVか階段しかなく それも手すりのない階段です。そのEVは見つけにくく、階段も奥まった場所なのです。百貨店としては諦めているのでしょうが、

3.阪神梅田本店(A+Cは前回リニューアル済)
数年前にリニューアルしたのですが失敗し、再度の手直しなのです。今回は素晴らしいの一言です。何が素晴らしいと言えば
A)    食品を3層にしたことです。B1Fの食品はともかく、1Fに東京大丸のようにお持たせ(銘店)を配した事です。東京大丸は1/2ですが、ここは1フロア全部です。都心百貨店は1Fに食品をレイアウトしないものですが、掲店は自店顧客を把握し、徹底した自店顧客の囲い込みをしようとしているのです。B2Fは今までのBALですが、伊勢丹大阪からルクアイーレに変更された時にルクアイーレのBALに取られた客を取り戻したようです。特にグリルRONや浪花麺や551等は凄い並びです。
B)    ファッションのウェイトが小さくなり、上層階まであるのですが、見えにくくなっています。正解です、
C)    また、訪店した時にやっていた8Fの催事場でのワイン祭りもすごい人で 賑わっており、食品から上層階までの人の流れが途切れる様子もなく、素晴らしいものです。
*何故前回(数年前)のリニューアルにこれができなかったのでしょうか?トレンドの阪急うめだ本店に引きずられ、阪神本来のコンセプト(コンサバ・ベーシック)を 見失ったのか?前回のリニューアルは社内からは「最もやってはいけないリニューアルをやってしまっ  た」とのコメントも幹部より出る始末でした。 コンサバ・ベーシンクが都心百貨店を守れる訳ではないのですが。当面は。

百貨店面積を大幅に減らした」との事ですが、まだまだ売上は取れるのです、今までは何もしなかったも同然なのですから、東急東横店(渋谷)の婦人雑貨売り場が1./3になっても売上は維持できているのを見る限りまだまだやりようはあるのです。池袋西武が売り場面積1/2になろうとも、売上は維持するとの過去の公表は遵守できると思われるのです、現在の店長は日寄っているかも?言いたいことは一般の方が見に行っても今回どこをどう触ったのかが判らない事なのです。素晴らしいと感じて頂ければそれはそれで良いのですが、。自店の告知方法も悪いのでしょうが、マスコミの使い方も下手なのです。

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。
是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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